「レ・ミゼラブル」 帝国劇場


      作:アラン・ブーブリル/クロード=ミッシェル・ショーンベルグ
                    音楽:クロード=ミッシェル・ショーンベルグ
                    作詞:ハーバート・クレッツマー
                     照明:デイビッド・ハーシー
                    装置:ジョン・ネピア
                     衣装:アンドレアーヌ・ネオフィトウ 
              潤色・演出:ジョン・ケアード/トレバー・ナン
                    翻訳:酒井洋子
                     訳詞:岩谷時子/吉岡治/青井陽治
                    原作:ビクトル・ユーゴー

       料金:S¥13000 A¥9000 B¥4000
   
         観劇日: 94年8月2日、4日

   キャスト(座席):            
                       2日昼(1階I30)   4日昼(2階F12)

    バルジャン    滝田 栄      鹿賀丈史
    ジャベール    村井国夫       村井国夫
    コゼット     佐渡寧子      宮本裕子
    マリウス     宮川 浩      石井一孝
    エポニーヌ    入絵加奈子     島田歌穂
    テナルディエ   斎藤晴彦      本間識章
    テナルディエの妻 高谷あゆみ     杉村理加
    ファンティーヌ  伊東弘美      絵馬優子
    アンジョルラス  留守  晃      岡 幸二郎
    コゼット(子)  宮本杏子        田畑亜弥
    エポニーヌ(子) 田畑亜弥      今井沙那恵
    ガブローシュ   柴田翔平      安達清和

    グランデール   井上肇       水木誠一
    クールフェラック 杉田光央      杉田光央
    ジョリー     山本あつし     西條勝久
    コンブフェール  森田浩貴      井上肇
    フイイ      “J”          留守 晃
    司教/レーグル  小林アトム     林アキラ
    バベ       坂井成       山賀教弘
    ブルジョン    早川 正      早川 正
    プルヴェール   石川禅       西村直人
    モンパルナス   大須賀ひでき    大須賀ひでき
    クラクス     本間識章      小林アトム
    クローン・1   幸和希       藤井夕香里
    マテロット    珠希亜矢      蔵元ひろみ
    ファクトリーgirl 尾津嘉美      国分美和
    ジベロット    藤井夕香里     大川美佳
    マダム      国分美和      シャンディ圭
    ガミネット・1  上谷麻紀      珠希亜矢
    ガミネット・2  今井麻音子     今井麻音子
    クローン・2   大川美佳      飯田容子

 私は前に書いたかもしれないが、だいぶ前にロンドン版を観たことがあります。
 だが、もうあまり記憶は残っていないのと日本版は初めてなので、とても新鮮な
 気持ちで観劇できました。
  メインキャストをずらして行ってみたら、なかなかというかアンサンブルのほう
  もだいたい別バージョンで観れました。
 しかし、「これ一回きり」と誓ったつもりだったのに、結局3回も観ることに
  なってしまうのね。。。。あ〜許したまえ、God on high.

 ひとことで言って、2回とも全く違う舞台。同じ作品なのに印象がまるで違う。
 2日は視覚に訴える演技科。4日は聴覚に訴える歌唱科。的である。
 (例外はコゼット、テナルディエ、グランテール?)
 2日の前半はベテラン勢の声が乗っていない。しかし、セリフに近いフレーズは
 メリハリがあり、ストーリーにぐいぐいひっぱっていかれる。
 ここらへんが滝田バルジャンの特徴でしょうか。
 後半は、若手の活躍。印象に残ったのは宮川マリウス。エポニーヌのセリフじゃ
 ないけどあの髪形はホントにお似合い。純真マリウスらしさがよくでている。
 留守アンジョルラスも予想に反してソフトな感じで私にはしっくりきました。
  入絵エポニーヌは予想通りにいい。マリウスに表面上はつっぱっているが実は
 幼い感じがでている。
 ラストのシーン(バルジャンの死)は素直に感動できました。
 ここでは佐渡コゼットが健闘。いかにも十何年一緒に暮らしてきたと思えるほどの
 親子が完全に(言いすぎかな?)に表現されていた。
  そこに、マリウスの「ぼくを助けてくれたのはパパ」とファンティーヌのわが
 娘の成長を見る目を観てると・・・・・・・・気分は最高潮。
 4日は前半からとばすとばす。鹿賀バルジャンの歌は伴奏とぴったり淡々と流れて
 いく。村井ジャベールも今回は別人のような前半。(後半も前にも増して良かった)
 場内からは、2日と違って前半の早いうちから拍手が起こっていた。
 岡アンジョルラス、石井マリウスは噂どおりだ。登場のシーンでいきなりパリの
 真ん中に現れる時は2人とも長身で映える。でも、長身すぎて、前半で別役やって
 てもすぐわかってしまうゾ。マリウスとエポニーヌとのかけひきが登場後すぐある
 けれど石井マリウスはちょっとわざとらしい。子供とふざけている雰囲気をだして
 るのかな。宮川マリウスは自然だったのですが、宮川氏の方が好みです。
 ラストのファンティーヌの幽霊は結構バルジャンを迎えにくる仕事に徹していた
 感じである。バルジャンはすでに父を通り越した存在に思えるほど神的であった。
 父がマリウスを助けたと知って泣き顔で微笑む宮本コゼットはかわいい。
 なんだかんだ言ってこのシーンは感動ものだ。
 この日は本間テナルディエの最終日になっている。カーテンコールでちょっと
 声があがった程度であったが、きっとクラクスとかで今後も登場するのでしょうね。

 アンサンブルのことを少し。
 4日の日はフィィが留守さんなので、バリケードではてっぺんに立つ赤のアンジョ
 ルラスの下に黒のアンジョルラスがいた。なんとも贅沢である。
 「過ぎた日に乾杯〜」と真っ先に歌うのがフィィですね。
 前にロンドン版でも発見したというナイフ男。
 日本にもいました。その名はモンパルナス。テナルディエの手下でパリで施しをして
 いるバルジャン親子を狙う時にテナルディエに「モンパルナス、エポニーヌ、見張り
 だ」と命令されてともに上に登ります。そのあとジャベールが登場して、バルジャン
 が逃げて「星よ」に移る時に上着を肩に掛けるしぐさをしながら橋を渡ります。
 モンパルナスはエポニーヌが好きと聞きますが、劇中でそんなことを思わせる
 シーンてあるんでしょうか。
 前半の「ラブリーレディ」のあとでファンティーヌがもめる客が印象的。
 2日の方がとても良かったように感じる。この役はグランテールの人です。
  実際の学生グランテール(いつもブランデー飲んでる人)は4日の方が
 良かったように思えたけど。
 あと、これをみなきゃはじまらない、山本ジョリーのさかさ吊り。(2日)
 片足になった瞬間、会場からどよめきが上がった。
 2日の日は観てなかったが、ファンティーヌの人がやるバリケードの少年。
  絵馬ファンティーヌはバリケード中断でアンジョルラスみたいに反って死ん
 でいた。お見事。

 とまあ、いろいろチェックしていまいましたが、暑い暑い夏休み。有意義に過ご
 させて頂きました。


<補足>
文中、「結局3回も観る」とは、8月28日にも行く予定だったからです。
結局、観に行きましてメインキャストはすべて観ることができました。
ジャベール:今井清隆
テルナディエ:笹野高史    他



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