赤毛のアン
1995.1.9 〜 1.30 東京芸術劇場中ホール
原作:ルーシー・モード・モンゴメリー 脚色:ドナルド・ハーロン
音楽:ノーマン・キャンベル 翻訳:吉田美枝、梶賀千鶴子
訳詞:岩谷時子 振付:山田卓 装置・衣裳:三宅景子
1995年1月16日(月) 12:00開演 1階S列22番
アン・シャーリー:野村 玲子 マシュー・カスバート:日下 武史
マリラ・カスバート:斉藤 昭子 ステイシー先生/スローン夫人:志村 幸美
ギルバート・ブライス:佐野 正幸 ダイアナ・バリー:秋本 みな子
レイチェル・リンド夫人:末次 美沙緒 バリー夫人:木村 不時子
スペンサー夫人/パイ夫人:澄 千鶴 ブルーエット夫人:藤田 晶子
ジョシー・パイ:佐藤 夏木 プリシー/店員ルシラ:佐和 由梨
フィリップス先生:雉鳥 功策 郵便配達アール/チャーリー:下川原 守忠
農夫セシル:尾張 智 牧師/駅長:山田 洋
熱海将人、葛西勉、那須幸蔵、谷本充弘、
千綿一美、鳥居ひとみ、藤森一絵、井田安寿、菊池砂織
赤毛のアンというと名作中の名作で女の子のバイブルとまでいわれているが男の私は当然
読んだこともなく、主人公がどんな人物かおぼろげに知っている程度で周りの登場人物も
ストーリーがどんなものかも知らなかった。しかし、このミュージカルに出会ったことで
「赤毛のアンワールド」というものがどんなものか知り、なぜこれほどまでに世界の人々
に愛される物語かわかったような気がする。
主人公であるアンの魅力を思いっきり舞台上で引き出した野村玲子さんも当然のことながら、
日下マシュウ、斉藤マリラ、佐野ギルバート、秋本ダイアナなどそれぞれの役者がとても
魅力的でこれがとても子供向けの童話(?)とは思えず、大人も楽しめる作品に仕上がって
いたのがすばらしかった。
野村アンは一体実年齢は何才とも思えるほど子供役にぴったりハマっていたし、それを
とりかこむ日下マシュウ、斉藤マリラの老いた人間模様や優しさも感動ものである。
体はでかくてもその一本気な単純さをものの見事に演じることで少年の純粋さを出して
いた佐野ギルバートもものすごく気合が入っているようでその熱気が客席まで伝わって
きた。同級生の秋本ダイアナとか佐藤ジョシーなども個性を発揮していて印象深かった。
フィリップス先生が特徴があり、似顔絵の落書きの場面で妙に似ていておもしろかった。
ステイシー先生も気品あふれる輝かしい先生でこんな先生がいると学校がものすごく
楽しいだろうと思う。
これだけ印象深い登場人物なのかそれとも役者の力なのか、派手なセットやダンスが
なくても全然許せると思わせるところも凄い新鮮な作品だと思う。
唯一許せない点として強いてあげるならば、音楽に印象的なものがなく、ミュージカルと
してみるとあまりメロディが心に残らなかったことである。
ミュージカルというよりは舞台作品として十分に楽しんだということにしたい。
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