東宝ミュージカル特別公演
シー・ラヴズ・ミー
 脚本:ジョー・マスタロフ 音楽:ジェリー・ボック 作詞:シェルドン・ハーニック  オリジナル演出:ハロルド・プリンス  翻訳:酒井 洋子  訳詞:大場 公之  振付:前田 清実  衣装:宇野 善子  演出:釜 紹人        ジョージ:市村 正親    アマリア:涼風 真世  コダリー:村井 国夫  リター  :島田 歌穂  マラチェック:斎藤 晴彦  シーボス:菱谷 絋二  ウェイター:藤木 孝      アルパ:石井 一孝  松澤 重雄、舘形 比呂、長沢 徹、森田 浩貴、坂井 成、乾 アキオ、  佐々木 信彦、中尾 和彦、中右 貴久、篠原 正志、杉田 秀之、井面 猛志、  杉村 理加、シャンディー圭、麻生 かほ里、飯田 容子、市野 莉絵、井上 めぐみ、  佐藤 薫、北林 優香、百沢 由香、朝日 夫美子、小山 みゆき、後藤 未雪  公演期間:1995.12.3〜12.28  公演場所:帝国劇場   料金:S \15,000 B \9,000 B \4,000  観劇日:1995.12.23(土)12:00開演  座席:1階 X列47番  時代背景も生活文化もかなり古いように感じるがクリスマスシーズンにはもってこいの  話である。古き良き時代とでもいうのであろうか。  キャストを当代の東宝ミュージカルの常連をおしげもなく揃えてこのキャスティング  だけでも客が呼べるといった内容である。しかし、それもあってかこの値段。いくら  制作費がかかるといっても演目が変わるたびにものすごいペースで値上がりしていって  ますね。東宝のミュージカルは。セットも今回はそれほどでもないのに。  歌はみなさん実力がある人なので文句はありません。特に演技面や役作りでいうと、  村井コダリーがなかなか良かった。ともすれば悪役として憎まれ過ぎるような感じの役を  なかなか愛嬌たっぷりに演じていて魅力があふれている。  作品としては、電話の発展した現代ではほとんどなくなった文通という交際方法でよく  これだけもたせたというような感じがしてそのストーリーの組み立て方には驚くばかり  である。  観客が感情移入するというよりも、見守るといったあくまでも他人事というスタンス  を与えることによって、異国の文化も違う、時代も違うといった場所で上演しても  そこそこのヒットが得られるのでしょう。  しかし、最近でいうと電子メールによる交際等もあるわけですから、似た様なことも  あるのかな。  音楽もタイトルロール曲と異常なまでに繰り返される「もうすぐクリスマス云々・・」  の曲以外はあまり印象に残らないため、脚本というか構成力がものをいった作品です。  ビジュアル面では舘形比呂氏のダンスがキレもよくて突出して目立っていました。
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