東宝ミュージカル特別公演 ラ・マンチャの男
 脚本:デール・ワッサーマン  音楽:ミッチ・レイ  作詞:ジョオ・ダリオン  オリジナル演出:アルパート・マーリ  訳:森 岩雄、高田 蓉子  訳詞:福井 峻  振付、演出:エディ・ロール  演出:中村 哮夫  振付:坂上 道之助、森田 守恒  セルバンテスとドン・キホーテ :松本 幸四郎  アルドンサ      :鳳  蘭    サンチョ    :佐藤 輝  牢名主と宿屋の主人  :上條 恒彦   アントニア   :松  たか子  カラスコ博士     :浜畑 賢吉   神父      :石鍋 多加史   家政婦        :荒井 洸子   床屋      :木島 新一  ペドロ        :宮野 琢磨   宗教裁判所の隊長:原田 清人  アンセルモ      :越智 則英   ムーア人の娘  :萩原 季里  公演期間:1997.9.1〜9.27  公演場所:青山劇場   料金:S \12,000 B \7,000 B \4,000  観劇日:1997.9.14(日)12:00開演  座席:2階C列26番  松本幸四郎が日本初演当時からずっとこの役を持ち役にしていてそれは市川染五郎  時代からだそうである。さらにこの作品のこの役で驚くべきことにブロードウェイの  舞台で主演したこともあると聞いてぜひとも観てみたい作品であった。そして、  有名な曲、「見果てぬ夢」は私がミュージカルにハマる前から知っているなじみの  ある曲である。実際にその曲がどういうふうに使われているのかにも興味あった。  まず、松本幸四郎の感想は、、、「やはり歌舞伎役者だなー。」  セリフに節が効いているというか、全く普段のしゃべり方と違った舞台上のセリフ  回しである。これがらしいといえばらしくて、さすがは幸四郎という向きもあるが、  英語だったらどうだったのか気になるところである。  歌も無難にこなしているし、サンチョ役とのコンビネーションもよく、なによりも  舞台に映えるのはすごいことである。役になりきっているというのも強く感じられ、  さすがは舞台人であり、舞台の前にはミュージカルだの歌舞伎だのと言っている垣根  などないことさえこの人が証明している。  前回公演からの娘の松たか子との共演が今回も実現したが、前回に比べてトレンディ  ドラマに進出するなど知名度に関しては飛躍的に上がったためもう、こんな端役なんて  やらないだろうと思っていた。しかし、妥協することなく出番は少ないものの質の  高い歌、演技を見せていた。  「見果てぬ夢」は以外とあっさりと終わってしまった。「騎士遍歴の歌」とのことで  あるが、確かに騎士がひっそりと行程を歩んでいるといったイメージの持てる曲では  ある。言わんとしているテーマもその変にあるんでしょうが劇中でのインパクトは  弱いと思った。  ストーリーに関して言うと何といっても3重構造の話である。  ややこしい感じがするが、構成としてはしっかりしているし気にならない。  逆に、主人公の状況や言わんとしていることがわかりやすく感情の移入がしやすい。
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