作詞:浅利慶太、岩谷時子、高平哲郎、高橋由美子 作曲:三木たかし
振付:山田 卓 振付助手:古澤 勇 装置:土屋茂昭 照明:沢田祐二
衣装:森 英恵、李艶萍 企画・構成・演出:浅利慶太
李香蘭:野村玲子 川島芳子:保坂知寿 李愛蓮:五東由衣
杉本:芝 清道 王玉林:熱海将人
松宮五郎、遠藤敏彦、深水彰彦、林 和男、広瀬明雄、川地啓友、光枝明彦、岡本隆生、
佐川守正、辻 仁、山口正義、古谷直通、坂元健児、澤村明仁、山口博之、天野哲也、
池田英治、中村 匠、田中裕悟、米沢観児、礒津ひろみ、木村不時子、松永さち代、
三橋葉子、佐藤夏木、片岡真弓、坂井 恵、佐和由梨、幸村美佳、藤本千夏、有光風花、
大月 悠、小牧祥子
公演期間:1998年10月4日〜10月17日
観劇日:1998年10月4日(日)13:00〜 1階8列5番(初日)
いよいよ劇団四季の専用劇場「四季劇場」のこけら落としである。「春」の方はちょっと先で
あるが「秋」の方は、この李香蘭で本日開幕となった。オリジナルミュージカルの中では四季
イチ押しの作品のようで、よく話題には上がっていたが観るのは今回が初めてなのでちょうど
いい。
戦争(第2次世界大戦)ものの史実を元にしているということで、確かに我々日本人は避けて
はいけない題材である。さらに悲劇の中にあってもヒロインは女優(歌手)という華やかさを
備えたキャラクターであるのでこの題材はミュージカルにはピッタリだと思う。ヒロインの
野村玲子はもうこの役=野村玲子と代名詞のようになっているので、観ていて安心できる。
当時の李香蘭の姿は私は知らないが、タイムスリップしたらこんな感じなのかもしれない。
川島芳子=保坂知寿もイメージが定着したハマリ役である。川島芳子はもちろん実際は歌手で
はなかったが、保坂知寿演じる川島芳子は歌い方ひとつを取っても「男装の麗人」そのもの。
華やかな宝塚の男役とはまた違って、内に喜怒哀楽のリアルさを秘めている。
他の役としては丸の内警察署長の一曲が構成の中でスパイスを効かせている感じで、演じる
光枝明彦もこういう役どころがうまくて見事である。群衆(アンサンブル)の迫力もジーザス
クライストスーパースター同様でパワーがあり四季の本領発揮と感じた。
三木たかしの曲はすばらしい旋律があって心に染みる。四季のオリジナル系の作曲が多いが、
どの作品でもちゃんと印象に残るメインナンバーを作り、似通った感じにならないのがいい。
今回は軍歌や李香蘭の持ち歌など既存の曲も結構入っているが、三木たかしの曲がなければ
このミュージカルはもちろん成り立たないと思う。
戦争ものでもよくある特攻ものや空襲ものに比べると中国(満州)の話はあまり聞かないので、
このミュージカルの続演が与える価値ははかり知れないと思う。また、折りに触れて観たいと
思う。
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