四季劇場「春」こけら落とし公演 ライオンキング
  作詞:ティム・ライス他  作曲:エルトン・ジョン 演出:ジュリー・ティモア   主催:劇団四季/フジサンケイグループ   協賛:TOYOTA/Glico    特別後援:JR東日本             JR東日本アートセンター 四季劇場「春」    98年12月20日(日)14:00 & 12月23日(水・祝)17:30      (初日/1階J列40番)         (1階F列37番)  ラフィキ   :丹 靖子(20日) 青山 弥生(23日) ムファサ  :早川 正  ザズ     :明戸 信吾           スカー   :下村 尊則  ヤング シンバ:伊藤 綾祐           ヤング ナラ:伊藤 彩華  シェンジ   :家本 朋子           バンザイ  :大塚 俊  エド     :長谷川 輝           ティモン  :中嶋 徹  プンバァ   :小林 アトム          シンバ   :坂元 健児  ナラ     :濱田 めぐみ          サラビ   :森 以鶴美  <男性アンサンブル>  遠藤 敏彦、澤村 明仁、阿久津 陽一郎、藤原 麻由、松浦 勇治、太田 泰信、  大谷 健、才加志 実、安福 毅、平田 郁夫、伊藤 謙吉、杉本 崇、  横沢 健司、雲田 隆弘  <女性アンサンブル>  礒津 ひろみ、千綿 一美、三瀬 七海、坂井 恵、春原 一恵、山田 園、  小松 陽子、鈴木 由佳乃、原田 真理、関口 美知子、鈴木 結加里、山田 明美  いよいよ世界で2番目に始まったライオンキング。  ブロードウェイでは、最初のサークルオブライフだけ格別にものすごく良くて、  これだけでもよい、これだけで元がとれたといった感想を受けたのですが、  日本版の感想を率直にいうと全編的に平均的に良い、といった感じである。  サークルオブライフの動物の登場間隔や太陽の登り具合が結構早くて荘厳な  雰囲気に欠けてしまうので、なんかあっさりしていてゾクゾクっとする感覚が  もてないのが残念であった。動物なんてもっともったいぶって出てきて欲しい。  このサークルオブライフのときのラフィキは青山さんが頑張っていると思います。  その後のシーンでは、丹さんの方が雰囲気出ていてラフィキらしいです。  ふたりとも全然タイプの違うラフィキですね。同じセリフだと勿体ないくらい。  下村スカーが最高の出来です。初日の時点で役としてもう完成しているんじゃ  ないかと思ったのはこの人だけであり、もう何年もやっているが如くである。  他の人はきっとこれからロングランになるにつれてもっともっと良くなって  いけると思えるのですが、このスカーはこれ以上良くなる余地もないほどいい。  今回、B&Bのように半年も前にキャスト発表してしまうということはなかった  のですが、直前あたりにアルプやテレビで少しずつキャストがあきらかになって  来たときに、下村=スカーだけちょっとどうかなー、イメージ違うなー、  悪役だしなー、と一番気になったのもこの人でした。それが見事に裏切られたと  いうか、表情も得意のメイクテク(?)ですごい悪役顔。そこに本来の人間味が  入って二幕の悩みの場面では、悪役といえども完全には憎めないやつに見え、  スカーをただの悪役だけで終わらせないことで物語の深みがでています。  カーテンコールで最後に一列に並ぶ時に中央なんですね。スカーが。  初日もそうだったか自信がないのですが、今日は中央でオーケストラへの拍手  を先導したり、つないだ手を挙げて礼をする中心になっています。  早川ムファサの方もみんなから好かれる王様の雰囲気が出ていて良かった。  回転木馬のジガーやレ・ミゼのモンパルナス、B&Bのガストンなどの悪役専門?  のイメージが強かったが、逆に子育てに悩む優しい父親のギャップが新鮮で  なんといっていいか照れが見えるようでカッコいいのである。  四季にとっては本格的な歌い踊る子役もまだ一組しか観ていないが、驚くべき  才能で、発掘をしたというよりもちゃんと育てているという感じがして今後も  楽しみである。  もともと、ストーリーよりはディズニーのマジカルショーのような感じだった  のでストーリーや曲ではなく、体感的な楽しさがある作品でありますが、  何といってもアフリカの現地語が和訳されずに多く残っていたのが良かった。  四季劇場前の外のなだらたかな階段にある、ガラスケースの中のパネルの写真が  ブロードウェイのものから日本版のものに早々と変わっていました。  パンフも早く日本版の写真満載で出して欲しいと思います。
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