東宝ミュージカル特別公演 南太平洋 青山劇場 99年3月28日(日)12:00    1階E列18番
 作曲:リチャード・ロジャース    作詞:オスカー・ハマースタイン2世  翻訳:吉田 美枝 訳詞:岩谷 時子 衣装:緒方 規矩子 振付:上島 雪夫   指揮:長田 雅人 演出:山田 和也   公演期間:1999.3.5〜4.18  料金:S \12,000 B \7,000 B \4,000  エミー・ドゥ・ベック:滝田 栄   ネリー・フォーブッシュ :一路 真輝  ジョー・ケーブル中尉:松村 雄基  ブラディ・メリー    :前田 美波里  ルーサー・ビリス  :綿引 勝彦  ジョージ・ブラケット大佐:斎藤 晴彦  リアット      :みほこ    シチュー・ポット    :伊藤 俊人  ウィリアム・ハービンソン海軍中佐:山賀 教弘  教授        :渡辺 隆   アンリ         :高橋 義則        <アンサンブル>  河岡裕門、小西教之、阿部裕、泉拓允、坂井成、中右貴久、勅使瓦武志、西崎仍登、  武内耕、伊藤大輔、勝亦正、清水椋一、小原和彦、近藤大介、池田紳一、須田英幸、  園山晴子、佐藤薫、藤えりな、広崎うらん、飯田容子、北林優香、柏木ナツミ、  一倉千夏、柘植陽子、真樹めぐみ、沢木蘭野、原田真純、藤井直子、坂本法子、  小林薫香、塚越寿美子  滝田エミールがなんともまぁ、ジャン・ヴァルジャンそのものなんでびっくりした。  歩き方、しゃべり方、歌のコブシ(?)の聞かせ方など帝劇で観た日の記憶を蘇え  らせた。あのジャン・ヴァルジャンは滝田栄が演じていたものではなくて滝田栄その  ものだったのである。私は滝田ヴァルジャンが好きであったのでようするに俳優・  滝田栄そのものが好きだったことになる。つまり、エミールも好きになるはずである。  なにぶんにも温かい。  一路ネリーであるが、これはうって変わって、一路アンナ(王様と私)とは違った  キャラクターだった。なんでこんなにも生き生きと違った人物を演じられるので  しょうか。すばらしいの一言です。  松村雄基、綿引勝彦のミュージカル初出演コンビは頑張っているもののやはり歌が  舞台向きに仕上がっていないように思った。歌での間のとり方や感情の入れ方などで  さらりと普通のコンサートソング風に流れてしまって残念な部分が見受けられました。  伊藤シチューポット、それから、山賀海軍中佐など出番の少ない助々演的存在だった  人たちはとても良かった。  特筆すべきはセットが良かったと思う。南国の雰囲気がよく出ていたし、幕の使い方、  オケをセットの一部として使うなど工夫されていて、細部に渡り練り上げられている  作品であることを思わせた。  ストーリー以前に登場人物のキャラクターがそれぞれ生きている、人間模様を  楽しむといったミュージカルで、それにセットによる南国効果も加わり、ちょっとした  観光旅行をしたような気にさせるミュージカルだった。
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