宝塚歌劇団星組公演 宝塚歌劇85周年スペシャルミュージカル WEST SIDE STORY
                 宝塚1000days劇場

      99年5月16日(日)11:00   25列70番(C席)

 作曲:レナード・バーンスタイン    作詞:スティーブン・ソンドハイム
 脚本:アーサー・ロレンツ    演出、振付:アラン・ジョンソン
 翻訳:勝田 晴彦 訳詞:福田 美環子 衣装:任田 幾英 指揮:井澤 一郎
 演奏:ダットミュージック       制作・著作:宝塚歌劇団   
 公演期間:1999.5.15〜6.27   料金:A.8,000 B.7,000 C.5,500 D.3,500 E.2,000  

     ジェット団              シャーク団
 トニー      :稔  幸      ベルナルド   :彩輝 直
 リフ       :絵麻緒 ゆう    チノ      :高央 りお
 アクション    :音羽 椋      ぺぺ      :久城 彬
 A−ラブ     :朝澄 けい     インディオ   :水瀬 あお
 ベイビー・ジョーン:真飛 聖      アンクシャス  :千歳 まなぶ
 スノー・ボーイ  :夏風 りお     ファノ     :美稀 千種
 ビッグ・ディール :司  祐輝     トーロ     :彩勢 沙樹
 ディーゼル    :朝宮 真由     ニブルス    :雪路 歌帆
 ジー・ター    :莉理 せいら
 マウスピース   :涼  紫央     マリア     :星奈 優里
                     アニタ     :羽純 るい
 グラジェラ    :妃里 梨江     ロザリア    :朋  舞花
 ヴェルマ     :万里 柚美     コンスエーロ  :秋園 美緒
 クラリス     :結輝 真由     フランシスカ  :しのぶ 紫
 ポーリン     :真澄 うらら    エステラ    :彰乃 早紀
 ミニー      :彩愛 ひかる    テレシタ    :立花 瞳
 エニーボディズ  :美椰 エリカ

                 大人達
 ドック      :夏美 よう     シュランク   :英真 なおき
 クラプキ     :大洋 あゆ夢    グラッド・ハンド:にしき 愛


 宝塚の醍醐味というのは、その人数で圧倒できるということが1つあげられる。
 「○組総勢六十何名」と言っているからには、60人近くは舞台に登場している
 わけであるが、日本でやっている他の大作ミュージカルでも20名そこそこ、
 多くても30名程度であるからかなりのものである。
 ウェストサイドストーリーにおいても、体育館のダンスシーンにまず圧倒された。
 最初、どこから見ても普通のダンスパーティーシーンであるが、フロアで踊って
 いる人々の他にも壁際で談笑している人々まで大量に配してあってまさに普通の
 ダンスパーティーシーンである。そして、いきなり「シャーク団」と「ジェット団」
 に別れてのダンス合戦になるわけだが、この数もハンパじゃない。この数の迫力
 というのは見ているものを興奮させる一要因となることを改めて認識した。

 宝塚の醍醐味をもう一つあげれば、ラストにフィナーレと呼ばれるショー形式の
 アンコールがあることである。これもセット、衣装ともに気合が入っていて、
 歌詞だメロディーだなんて以前に視覚で圧倒される。目からエンターティメント
 を楽しむことができるという効果は宝塚が随一だろう。

 さて、本編のウェストサイドストーリーのミュージカル自体は、同じく日本で
 上演したことのある劇団四季版というのがあるため、やはり、男声が欲しいと
 いうのが正直な感想である。特にトニーとマリアの恋をデュエットという形で
 表現しようとするこの手のミュージカル作品においては、男声と女声のハーモニー
 というものが一つの軸となっているような部分もあるのでやはり残念である。
 しかし、男役ではリフやシュランク警部などの演技に好感が持て、声がどうたら
 なんていうことを忘れさせる場面もあった。

 最後に劇団四季では、リフ「死ぬまで仲間」/トニー「仲間は死ぬまで」だった
 リフとトニーの合言葉であるが、宝塚版では、リフ「お前の命は俺の命」/
 トニー「死なばもろとも」という表現になっていて、両者の台本の作り方の違い
 が印象に残った。別にどちらかがおかしい、嫌いというわけではなくて、物語の
 キーともいえる言葉が日本語に直すとこんなにも違うのね、という驚きの方が大きい。

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