TBS創立50周年記念 ブロードウェイミュージカル
フットルース 〜みんなHERO!〜
    脚本・作詞:ディーン・ピッチフォード   振付:A・C・シウラ        演出:松原 浩    翻訳・訳詞・共同演出:菅野こうめい  音楽監督:深沢桂子  装置:島川とおる  照明:高見和義  衣裳:十川ヒロコ           主催・企画・製作:TBS/キョードー東京    レン・マコーミック:坂本昌行        エリエル・ムーア:中澤裕子   エセル・マコーミック:未唯      ウィラード・ハーウィット:秋山 純      ヴァイ・ムーア:増田恵子         ショー・ムーア:村井国夫     ルル・ワーニカー:岩崎良美 ベティー・ブラスト/アイリーン:浦島りん  チャック・クランストン:渡辺 正       ウェス・ワーニカー:遠山俊也      ダンバーコーチ:八十田勇一           ラスティ:MaMi        アーリーン:石橋けい       ウェンディ・ジョー:服部奈都子 エレノア・ダンバー・ドレーン:神矢ゆき  クラーク校長/酒場の店主:児玉謙次   警官/バイオリン弾き:嶋崎伸夫           ガーヴィン:西村直人  公演期間:2001年9月30日(日)〜10月28日(日) 赤坂ACTシアター              料金:¥9,000(全席指定・税込)  観劇日:2001年10月11日(木) 14:00〜      15列45番  ブロードウェイでなかなかおもしろいと思った作品であるが、若者系の似たような作品と  いうことかRentに続いてTBSがミュージカル化するとはなかなかおもしろい。  しかもキャスティングにかなり新鮮味を出している。ミュージカルでよく見る俳優は村井  国夫、八十田勇一、西村直人くらいで、スタッフも含めてなかなかミュージカル作品では  見かけない人が登場している。まぁ、四季はもちろんのこと、東宝も最近は常連ばかりで  劇団化してるからなぁ。ほんとのフリーを集めるとこんな感じなのか。  とはいえ、役のイメージ的年齢からはちょっと行き過ぎてしまっている主役二人が心配  ながら結構期待できそうな内容である。  幕が上がり、冒頭のタイトル曲「フットルース」。なんと英語(原曲)で歌っている。  ブロードウェイミュージカルっぽくてかなり好印象。もちろん、映画等ですでに知られて  いる曲だから訳なんて気にすることもないので絶対的にいい。意味わからなくてもノリで  行っちゃえ的な感じが若者っぽいとも言える。  日本語になってしばらくして聞かせる牧師役村井国夫の演説と歌がいきなり聞かせる。  レ・ミゼラブルとか東宝作品に引っ張りだこで、今や日本のミュージカルではなくては  ならない存在であろう。他作品では共演にミュージカルの大御所や実力者が多いがここ  ではトップ的存在で光っている。かなり良い。  主役の二人、坂本昌行であるが、さすがに高校生をやるにはちょっ難しく、他の若者と  一緒に立つと目立つが、まぁ、主役だからいいのか。中澤裕子も同じような感じでどう  してもアネゴ的に見えてしまうが、まぁ、良しとしよう。曲がロック調というか、まさに  「ジャニーズ」や「モーニング娘。」的にありがちな曲調のため、歌的には問題なし。  逆に普通のミュージカル畑にいる俳優陣が歌うより、こちらの方がはるかに耳に馴染む  歌い方である。  若手の秋山純、そして3人娘もかなりいい感じ。特に3人娘には目立つナンバーがあり、  声も良く出ていてブロードウェイを彷彿させるものを感じた。  そして、キャスティングで話題をさらった二人の母親役、ピンクレディーの二人。  デュエット曲があるのは知っていたので期待していたが、さすがに息ピッタリといった  ところ。だが、母役(しかも高校生の母親)ということで結構、複雑な心境の観客もいる  に違いない。  歌詞(和訳)も特に気にならず、演出的にもブロードウェイバージョンをそれほど変えて  ないみたいなので結構、満足して見れた。「ヒーロー」はやはり「スクール・ウォーズ」、  「アイム フリー」は「スーパー・ポリス」の主題歌の日本語歌詞が頭をグルグル回って  しまうのであるが。そういえばどちらともTBSのドラマだったっけ。  途中にも書いた通り、1カ月なんてもったいないので何度か再演して欲しい。10代後半  あるいは20歳そこそこの新進アイドルのミュージカル登竜門的作品にして欲しいなぁ。  アニー、ピーターパン、その少し上の年齢層を出演者対象に位置付けて毎年やっていけば  ぴったり。TBSならそれができそうなので絶対いいと思うけど。 <後日談>  見に行ってはいないが、一年後、再演された。坂本昌行は変わらず、秋山純、村井国夫も  続演したが、エリエルは今井絵理子、母親役は前田美波里と高畑淳子になった。  今井絵理子なら年齢的に問題ないかもしれないが、やはり相当な年の差カップル(一回り  違うらしい)では違和感ありかも。
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