劇団四季オリジナルミュージカル
異国の丘
作曲:三木たかし、吉田正(異国の丘)、近衛文隆(苦難に堪えて)
作詞:浅利慶太、岩谷時子(虐げられて)、荒木とよひさ(引き裂かれた心)、
松田宏一、増田幸治(異国の丘)、佐伯孝夫(異国の丘補作詞)、
越智登喜男(苦難に堪えて)
台本:浅利慶太、湯川裕光、羽鳥三実広 振付:加藤敬二
企画・演出・美術:浅利慶太 後援:JR東日本
九重秀隆:石丸 幹二 宋 愛玲:保坂 知寿
吉田 正:中嶋 徹 神田雄介:深水 彰彦
西沢 :神保 幸由 大森 :江上 健二
杉浦 :内海 雅智 平井克己:有馬 光貴
宋 美齢:武 木綿子 李 花蓮:濱田めぐみ
劉 玄 :栗原 英雄 宋 子明:日下 武史
蒋 賢忠:青山 祐士 九重菊麿:武藤 寛
アグネス・フォーゲル:久野綾希子 クリストファー・ワトソン:岡本 隆生
メイ総領事:高林 幸兵 ナターシャ:大平 敦子
抑留兵士/学生/パーティ客/軍人/看守:
松宮五郎、青木朗、八巻大、北澤裕輔、阿川建一郎、中島淳治、山添功、
香川大輔、奥田直樹、遠藤敏彦、中村匠、村中弘和、山崎義也
パーティ客/学生:
五十嵐可絵、望月秀美、鷹栖千香、岡山梨都子、石村明日香、葛貫直子
公演期間:2001年10月14日(日)〜2002年2月10日(日) 四季劇場 秋
観劇日:2002年2月5日 18:30〜
観劇席:3F2列26番 バルコニー席 \4200
劇団四季が新しいオリジナルミュージカルを作るという話はここ1、2年、毎年の
ように出ていたが、延び延びになっていたようで、やっと出来たかというのが発表
直後の感想。でも今まで噂されていた「戦後のジャズもの」とはちょっと違うよう
である。この「異国の丘」は実在のモデル人物がいて原作があるし、内容も戦争、
悲恋などミュージカル的要素が潜在していそうで題材としてはバッチリの選択だと
思う。
で、この題材をどう生かすかがカギだと思うが、まずオープニングはいい感じ。
いきなりシベリアの終盤場面から始めて回想により物語が語られていくというのは、
ミュージカルの進行の王道である。しかも、男声合唱が荘厳でいい。
一幕の前半のニューヨークのシーンは楽しめた。「出逢い」という曲がスウィング調
になっているのが雰囲気にピッタリで、そして、ここのダンスシーンがおもしろい。
ニューヨークのバーだけにタップやスウィングダンスを多用しているが、リンディ
ホップのチャールストンステップもベーシック、ハンドトゥハンド、タンデムなど
応用されていて、コンタクトの下準備? んー、アメリカ!といった感じである。
しかし、このシーンでやはり気になるのは、出会いに至るまでの運び方がどこかで
見たことあるなー、という感覚であるが、そう、ウェストサイドストーリーのトニー
とマリアの出会いを彷彿させるような展開だ。なんであんな「曲が止まったら目の
前の人と踊りましょう〜」みたいなところまで真似るんでしょうか。いくら仕掛け
られた出会いだとしてももう少し斬新な方法があると思うけど。
一幕最後の船上での歌はセットが船の形に変更されたようですが、船首と船尾という
のがどうも変。同じ船じゃないよね。日本経由中国行きとか。ちなみに高いところで
熱唱というと「美女と野獣」の一幕最後を彷彿させ、曲調もそれっぽいので、初見
でもこれで一幕が終わりかな、と予想できてしまうあたりがやはり新鮮味に欠ける。
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