東宝創立70周年記念公演
チャーリー・ガール
帝国劇場
作曲・作詞:ジョン・テイラー/デヴィット・ヘネカー 原作:ロス・テイラー
脚本:ヒュー&マーガレット・ウィリアムズ/レイ・クーニー
翻訳:丹野郁弓 訳詞:高橋亜子 制作:酒井喜一郎/古川清 演出:山田和也
音楽監督:甲斐正人 音楽指導:楊淑美 音楽協力:塩田明弘 指揮:佐藤和男
振付:麻咲梨乃 装置:太田 創 照明:高見和義 衣装:宇野善子
公演期間:2002年4月4日(木)〜30日(火) 料金:S席¥12,500 A席¥8,000 B席¥4,000
キャスト:
ジヨー・スタッドホーム :錦織 一清 シャーロット :愛華 みれ
ジャック・コナー :鈴木 綜馬 ハドウェル伯爵夫人:初風 諄
ニコラス・ウェインライト:太川 陽介 ケイ・コナー夫人 :森 公美子
フィオーナ:植田 チコ ペネロープ:春風ひとみ ワシントン :桑原 辰旺
松澤重雄、乾あきお、石山毅、砂川直人、阿部裕、青柳勝大郎、水野栄治、田澤啓明、
鴇田芳紀、須田英幸、宗田良一、日比野啓一、山名孝幸、川原信弘、井上正樹、
藤森徹、俵和也
丸山知津子、古郡やすこ、家塚敦子、一倉千夏、柏木ナオミ、内田このみ、浅野実奈子、
ちあきしん、小野佳寿子、栗原朗子、堀朋恵、足立美幸、湖上芽映、染谷妃波
観劇日:2002年4月11日(木)13:00〜 2FJ列30番(B席)
愛華みれの宝塚退団後初出演のミュージカル。1965年にロンドンで初演されたそうで
今回が日本初演になるそうだ。舞台も英国の貴族の邸宅を舞台にお嬢様、その雇い人等を
登場人物にして物語が展開していく話しである。貴族といっても結構経済的に困っている
家というあたりが何か話がいろいろ出て来そうでおもしろそうである。
ストーリーはラブコメディーで、話の軸が「好きな人とキスをするとベルが鳴る」という
下敷きがあるのがなんかロマンチックでいい。たとえ三角関係になろうと安心して見られ
るというか、ラストが想像つくというか、こういう夢がある話がミュージカルを楽しく
させるのである。ラストもそれに忠実で「だってベルがなったんだもん。」と平然と単純
にしかもスピーディに終わるあたりが軽妙でいい。
曲は1幕開始数十分後やラスト等にかかるメインナンバー「チャーリー・ガール」が一度
聞いたら忘れないくらい覚え易いスウィングナンバーでいい。特に感動する曲というわけ
ではないがこういう曲がある作品は強いなー。他にも軽快なスウィングナンバーが多く曲
だけ聞くとアメリカンなミュージカルっぽい。カーテンコールにもこれらの軽快な曲と
ともにミニダンスショーが展開されるのも良い。
愛華みれは元男役で今回の役は当然女役であるが設定が冒頭は男っぽい女の子ということ
で結構入りやすいのではないか。多分、宝塚時代を見ている観客も普通に見られると思う。
後半でドレスアップしたりするところで結構、変わるのであるがそのあたりも見せ場で
おもしろい。他の実力系の元宝塚系の女優と違って明るい女の子が良く似合う感じである。
錦織一清は東宝の主演作も増えてきてしっかり東宝ミュージカル主演俳優って感じに
なってきたが、芸達者な感じはいいけど軽い感じがちょっと実年齢についていかなく
なってきているように感じる。そろそろイメージチェンジが必要か。結構、シリアスで
泣くようなどっしりした役も合うと思うけど。
鈴木綜馬は逆にコメディではあまり見ていないが殻を打破してのノリの良さがいい。登場
シーンからハイテンションである。声も良く歌ももちろんうまい。朗々と歌うわけでも
ないアップテンポの軽快な曲も難なくこなしていた。
太川陽介は結構笑いを取る役的にもおいしいポジション。このキャスティングはかなり
この作品のプラスになっていると思う。歌もかなり上出来。
なかなか良くまとまっている作品であり、よくこういう古き良き作品を掘り起こしてきた
ものだと思う。同じ古いミュージカル掘り起こしで4月にやった大地真央ありきの
「パナマ・ハッティー」よりはなかなか万民受けする作品で時々観たいと思える作品である。
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