2002年 生命(いのち)のコンサート
音楽劇「赤毛のアン」
東京国際フォーラム・ホールC
主催 特定非営利活動法人 国連クラシックライブ協会
後援 外務省、文部科学省、東京都
協賛 NTT DoCoMo
原作 ルーシー・モード・モンゴメリー 翻訳・脚本 橋本真理子
振付 膳亀 利次郎 石向智絵 監修 小田切ようこ
制作 劇団 Y.P.A.Tokyo(青少年オペラ)
鑑 賞 日 2002年10月14日(月) 13:00〜
料 金 全席自由 4,000円(前売料金)
出演
マシュウ 伊東 剛 マリラ 大沼 百合子
リンド婦人 中澤 公子 バーリー婦人 聖 真澄
ベル先生 安芸 武司 雑貨屋 藤井 勘太
洋服屋 水野 真紀 駅員 山浦 路孝
<大人> <少年・少女> <子役>
アン 朝見 優香 岩澤真寿美 荷田 直実
ダイアナ 白田 怜子 箕輪菜穂江 武田 果林
ギルバート 小比賀英昌 田村 圭生 佐藤 淳
フレッド 亀田 圭彦 彼ノ矢 遼 安醸 円秀
プリシー 橋爪奈保子 小川 侑子 山本 実奈
ジェーン 安斉 瑠美 猪野 有咲 徳満 麻央
ルビー 谷合 香子 林辺 詩乃 宮崎 雅子
ガーディ 国沢 良子 石井 希実 高橋 由佳
ミニー 坂 紀代子 松崎 千智 黒川 千晶
エミリー 鈴木真紀子 − 古川 里奈
チャーリー 岩壁 宗男 − 阿部 智史
今年はカナダ映画「赤毛のアン アンの結婚」も公開されたし(観てない・・・)、
劇団四季でも「赤毛のアン」の再演、劇団ひまわりもミュージカルではないが
「赤毛のアン」を上演するなどまさに Ann Year。
そして、この生命(いのち)のコンサートという音楽劇「赤毛のアン」。でも
こちらは、どうやら毎年のようにやっているらしく10年くらいになるとのこと。
子役を中心に出演メンバーが多く、しかも日替わりのダブル、トリプルキャストが
組まれているため、総勢はかなりの数。観客にはキャスト表(香盤表と書かれている)
が配られるところは親切である。
幕が開きまずはびっくりもっと大勢の合唱団(?)の登場。通常のミュージカルの
オーバーチュアのように高らかに合唱曲(国連讃歌でしょうか?)を歌い上げる。
あとはマシュウが駅にアンを迎えに行く場面から良く知っている赤毛のアンの物語
が始まって行くが、アンを始め子供たちは「子役」→「少年・少女」→「大人」と
3人の俳優によって演じられ成長していく。何歳を目安に区分けをしているのか
わからないが、「子役」といっても駅でマシュウにあった時点、「大人」といって
も学校を卒業して進路を考えるあたりの話なので20歳は越えてないだろうから
その間で3人交代はちょっと入れ代わり過ぎと思える。
しかも、アンはさすがに主役であるため、同一人物を演じる3人の似具合も含めて
配役されていて気にならないが、他の役はどうも成長の過程が見えない配役である。
つまり、役者の組合せでギルバートとフレッドの関係が少年から大人になる時に
イメージが入れ代わってしまったり、ダイアナが少女から大人になると別人の
ように小顔で痩せ細ってたりするのは話の繋がりがプツンと切れてしまって、全く
違う別の劇を3本観ているような感じになってしまう。
こう考えると最初から最後まで同役者(しかも実年齢は・・・)が演じている
劇団四季版はすごいなー。
注目はやはりアン役。岩澤真寿美(少女)、朝見優香(大人)は結構そっくりで、
歌い方もよく似ている。さすが主役で堂々としているし、なかなか「アン」という
イメージにも近いのではないか。あと大人のダイアナ白田怜子。バレエ出身なのか
歌を聞かせるということはないが、教会での発表会ではバレエを踊るなど1幕から
の子どもミュージカルの雰囲気をそこで振り払うようなイメージチェンジをして
いる。大人たち(マシュウ、マリラ)等は毎年参加しているベテランで子役に指導
もしているような感じなので安定はしている。でもそれ以上のものは感じられない
のでもっと冒険して欲しいかな。
曲はあまり印象に残らないというか、オリジナル曲は物語の進行を説明するような
もの、その他に国連らしく既存の名曲を英語で歌ったり、別のミュージカルの曲
などを使って進行していく。やはり、ミュージカルというよりコンサート形式の劇
=音楽劇なんだろうか。
終わった後は、ロビーの通路に子供キャスト勢ぞろい。というか、かなりの数で
ロビーの上の階から小さな子供たちが道を作っているのはすごい。多分合唱してた
だけの人も含めゆうに100人以上はいるでしょう。劇の中身だけでなく外側
(終演後のロビー)も楽しませるという意気込みは良いのですが、開演前は大変。
席が自由席だからか、入場前は東京国際フォーラムの外は凄い列。良い席を取り
たい人は早くから並んでいるようで、しかもチケットチェックのせいか単に客数が
多過ぎるのか開場しても全然列が進まないのです。ロビーが広いはずなので外で
待たせるよりも、もっと早めにスムーズな入場をさせてくれれば良いのにちょっと
この運営は困りますね。
客層は公演があまり宣伝されてないことや花束を持ってるお客さんが多いので
ほとんどが出演者の家族等の関係者だと思いますが、それでも席が満席に近いのは
たいしたものである。出演者一人が10人呼べば1000人だから不可能ではない
だろうが、それでも大勢の出演する子供ももちろん、その家族に対してもこの
ような演劇活動が広く一般に浸透していくのを見ているようで、日本の
ミュージカルの未来も案外明るいかも。
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