東宝創立70周年記念公演
モーツアルト!
脚本・作詞:ミヒャエル・クンツェ 作曲:シルベスター・リーヴァイ
音楽監督:甲斐正人 指揮:塩田明弘 美術:堀尾幸男 照明:勝柴次朗
衣裳:有村 淳 振付:前田清実 歌唱指導:楊淑美・山口正義
演出・訳詞:小池修一郎 オリジナル・プロダクション:ウィーン劇場協会
製作:東宝/シアター・ドラマシティ
後援:オーストリア大使館 協力:オーストリア航空
公演期間/料金:
日生劇場 2002年10月5日(土)〜10月31日(木) S-12,500 A-6,500 B-4,000
帝国劇場 2002年12月3日(火)〜12月29日(日) S-12,500 A-8,000 B-4,000
ヴォルフガング・モーツァルト:井上 芳雄(10月) 中川 晃教(12月)
コンスタンツェ :松 たか子(10月) 西田ひかる(12月)
レオポルト・モーツァルト:市村正親 ナンネール:高橋由美子
コロレード大司教:山口祐一郎 フォン・ヴァルトシュテッテン男爵夫人:久世星佳
セシリア・ウェーバー:阿知波悟美 カール・ヨゼフ・アルコ伯爵:花王おさむ
エマニュエル・シカネーダー:吉野圭吾 アマデ:石川 楓
アンサンブル:
池田紳一、大谷美智浩、小原和彦、KENTARO、小林 仁、桜井 章、砂川直人、武内 耕、
tekkan、中山 昇、縄田 晋、野沢 聡、藤重政孝、松澤重雄、森田浩平、
秋山エリサ、井上めぐみ、河合篤子、北林優香、鈴樹葉子、高橋真記子、徳垣友子、
中川菜緒子、長谷川美穂、平澤由美、やまぐちあきこ、尹 嬉淑
観劇日:
日生劇場 2002年10月24日(木)12:00開演 2F A列32番(A席)
帝国劇場 2002年12月17日(火)12:00開演 1F W列 9番(A席)
「エリザベート」に続く、ウィーンもの第2弾。モーツアルトの生涯をエリザベート的
に異次元の世界(?)を絡めて描き出している。やはり、まず作品の素晴らしさに感動
する。何よりもいい曲ばかり。シルベスター・リーヴァイのミュージカルいいとこ取り
みたいな曲群が健在。キャストでは市村正親と山口祐一郎の四季退団後初共演も話題。
しかも、主役は若いカップルなので二人とも脇を固める役どころである。
これだけ揃えば公演日程が普通は帝劇でロングランでもいいはずだが、何故か日生と
帝劇で1カ月ずつ、しかも、間に1カ月のブランクというのはどうなんだろう。
キャストの都合かな。
ストーリーは、若さゆえの失敗や父親との葛藤を描いているので、あっちに行ったり
こっちに行ったり、偶然の出会いとかいろいろ苦しい展開やもどかしい展開もあったり
する。一貫性がないと言えばそんな感じであるので、観た後にストーリーはどうだった
と思い返してもなかなかうまく説明できない。「エリザベート」みたいに一国の歴史と
ともにという壮大な話でもないのでストーリー的に弱い感じがする。才能の象徴みたい
に扱われている「アマデ」の存在は特異なところだが、「ただ居る」という感じである
のでもっと重要な事をさせても良かったかも。
モーツアルトの墓探しをする再婚後のコンスタンツェから始まる導入部は王道の「回想
開け」でいい感じ。このシーンは2幕冒頭も繰り返される。その後もアンサンブルの
コーラス曲がしっかり場面の要所要所を占めている構成も重厚感がある。
今回のメインキャストは東宝が総力を結集して実力者を集めたという感じで豪華である。
Wキャストの二人であるが、モーツアルトは井上芳雄の歌声もいいのだが、中川晃教の
エネルギッシュでハネ返りのイメージが劇中のモーツアルトにピッタリである。
コンスタンツェはもともと西田ひかるという感じではなく、やはり、松たか子のキツめ
の妻っぽい演技がいい。2幕の「ダンスはやめられない〜」という歌も熱唱している。
とういうわけで、無理な日程だったが中川+松のコンビで帝劇で観てみたかったなぁ。
市村正親はさすがに力強くうまい。高橋ナンネールとのデュエットも多いわけであるが
デュエットとなると少し危ないなー、という感じだがさすがにベテランである。ナンネ
ールの方もよく付いていっている。死後に怪人姿(?)で出てくるの場面が伝説の市村
ファントムを観客サービスしてる演出のようでちょっと得した気分である。
山口祐一郎は所々出てくるだけのほんとにわき役であるのだが、さすがにソロ歌の部分
は最高である。どこからあの余裕の声と貫祿が出で来るのか不思議である。
これだけの作品を2カ月でしまってしまうのはもったいないので、また再演して欲しい。
もちろん、レオポルトとコロネードは、このままのキャストで。
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