壁抜け男 ・・・恋するモンマルトル
なら100年会館
   原作:マルセル・エイメ(ガリマール出版)音楽:ミシェル・ルグラン    台本:ディディエ・ヴァン・コーヴェレール    演出:アラン・サックス         演出助手:アニエス・ブーリー    音楽アドバイザー:パトリス・ペリエラス 装置:ギー・クロード・フランソワ    装置助手:シャルル・シュヴァクシナ   衣裳:ガブリエル・デュ・リヴォー    照明:フィリップ・キエ         特殊効果:アブドゥル・アラフレッツ    振付:アンヌ・マリー・グロ    日本語版台本・演出:浅利慶太      音楽監督助手:鎮守めぐみ    翻訳:荻野安奈,中井多津夫           訳詞:荻野アンナ,石丸幹二,丹 靖子,末次美沙緒,井関 一,立岡 晃,       川原洋一郎,渋谷智也,佐和由梨,松田宏一,鎮守めぐみ    出演:       デュティユル・・・・・・・・・・・・・・・・・石丸幹二       イザベル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・坂本里咲       部長・刑務所長・検事・・・・・・・・・・・・・光枝明彦       八百屋・娼婦・・・・・・・・・・・・・・・・・丹 靖子       C氏(公務員)・看守1・・・・・・・・・・・・小林克人       デュブール医師・警官2・弁護士・・・・・・・・喜納兼徳       B氏(公務員)・囚人・警官1・ファシスト・・・荒木 勝       画家・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・佐野正幸       M嬢(公務員)・・・・・・・・・・・・・・・・佐和由梨       A夫人(公務員)・共産主義者・・・・・・・・・横山幸江       乞食・看守2・裁判長・・・・・・・・・・・・・寺田真実       新聞売り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・有賀光一   観劇日:2002年11月15日(金)18:30〜 Rロ列8番(B席\5250)  ちょうど福岡での初演で観てから3年後の姿の「壁抜け男」である。劇団四季の新作  がブロードウェイでもロンドンでもオリジナルでもなくフランスのミュージカルと  いうある意味衝撃のデビューから3年。変更も若干あったようだ。まず、スタッフの  訳詞のメンバーがかなり増えている。というかほとんど出演者。何度か演じるうちに  それぞれのアイディアでだんだん変わっていった(?)といった感じなのか。それは  訳詞というより作詞(?)だと思うけど。そもそも訳詞というからにはみんな  フランス語できるのだろうか。役柄も部長、C氏、B氏の掛け持ちの分担が変わった  みたいである。光枝さんの出番(歌)が増えたみたい。キャストは、結構イザベルが  ぴったりだった井料さんが退団でいないのは残念であるが代わりにヒロインとしては  すでにベテランの坂本さんが入った。  果して訳詞がどう変わったかというところは全くわからなかったが、メロディは1回  観ただけでも覚えていたので結構懐かしい感じがした。さすがはミシェル・ルグラン  である。何よりもこの作品は大作とは違った素朴な感じが良い。大作じゃない作品と  いうのは、キャストの数とか装置で圧倒するわけではないので、やはり役者の実力が  モノを言う。つまりそれが舞台の満足度に直結するわけであるが、この出演者は  ベテラン揃い、歌の上手な人揃いでなかなか贅沢なキャスティングである。その  キャスト評については申し分なく大満足。  ストーリー自体や前回思った設定のわかりにくさ、説明不足さも2回も観ると慣れて  きて気にならなくなるから不思議。マジメな主人公が壁を抜けることによって、少し  悪いことを考えたり、いい事をしたり、幸せになったり不幸になったり。壁を抜ける  以外はごく普通の庶民の人生に通じるものがあり、なんかホッとするのは確か。  「ヒーリングミュージカル」とはよく言ったものだ。試しにもっと疲れた時にも観て  みたいと思わす。  今回は全国公演として各地を回っているわけだが、都会でやるよりもちょっと下町  っぽい街でやる方が似合っている作品である。
top