原作:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
訳:内藤 濯(岩波書店刊)/Editions GALLIMARD(1946)
演出:白井 晃 脚本・作詞:能祖将夫 作曲・音楽監督:宮川彬良
振付:近藤良平(コンドルズ) 主催:TBS、キョードー東京、朝日新聞社
協力:箱根☆サン=テグジュペリ 星の王子さまミュージアム
製作:TBS、キョードー東京 後援:TBSラジオ
星の王子さま:宮崎あおい 飛行士 :岡田浩暉
王様 :ブラザートム キツネ&うぬぼれ男:ROLLY
地理学者 :松澤一之 実業家&あきんど :内田紳一郎
点燈夫 :宮川 浩 呑み助&転轍手 :福本伸一
天文学者 :田子裕史 ヘビ :森山開次
花(バラ) :安寿ミラ
公演期間:2005年8月7日(日)〜8月23日(火) 料金:S席¥8,000 A席¥6,500(税込)
観劇日: 2005年8月19日(金)19:00〜 1階21列58番(S席)
「星の王子さま」のミュージカルと言えば音楽座が世界唯一のミュージカル化権を所持して
いたはずだが、その音楽座は今はなく、別物も生まれているようである。
この作品は2年前に初演された舞台の再演だが初めて観た。ちなみに音楽座版は観ていない。
全体の感想は「ミュージカル」と銘打つならもっとミュージカルっぽくないとなぁ、という
ことにつきる。みんなもっとガンガン歌って踊って欲しい。
音楽は心に染みるような曲があるし、生オケなのはとてもいいことだと思うが、構成的に
ミュージカル的な使われ方がされてない気がして残念。
キャスト的にはダントツで宮川点燈夫が良い。歌ももちろん雰囲気も良く、さすがミュージ
カル界のベテラン。シーンもこの星でのシーンが一番印象的だった。
宮崎王子さま。初演で好評だったとPRされているが、やはり歌わないのはマイナス。
歌ったのは正味3フレーズぐらい? ビジュアル的には確かにかわいくて文句なしなので
あるが。。。逆に、飛行士といい雰囲気になって絵になりすぎるのは困り者。話の上では
男同士なんだよね。。。
初演時はまだ新人女優だったが最近は映画「NANA」主演で注目されていたり、来年の朝
ドラ主演が決まるなど女優としては有望株、注目株。ミュージカル女優としては、、、将来
どうなんだろ。
岡田飛行士はマリウスが良かっただけに期待してたが、あまりぱっとしなかった。見せ所が
なかった感じ。歌も出だしの曲、ちょっと合ってなかったし。
うぬぼれ男ROLLY。最近ミュージカルに出ているけどいつもこんな感じ。キツネでは
ちょっと違った面を見せているが、そのギャップが狙い?
他のキャストも歌えてはいるが、曲がソロ曲ばかり。群唱、群舞がほしいところ。物語的に
王子&1人ずつで場面が進んでいくので難しいのかな。
セット(映像背景)、衣装などはいい感じ。花の帽子は欲しいくらい。
ここの劇場や童話的なストーリー、主役の少年役を若い女優にやらせるスタイルなどから
どうしてもピーターパンを連想させる。しかし、比べるべくもなく、ミュージカルとしては
惨敗。せめて対抗すべく、実際に飛ぶフライングぐらいはあっても良かったのでは?
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