東宝ミュージカル1月特別公演
ベガーズ・オペラ
日生劇場
     演出・脚色:ジョン・ケア―ド     原作:ジョン・ゲイ 
     音楽:イローナ・セカッチ     演出家アシスタント:垣ヶ原美枝 
     翻訳:吉田美枝     音楽監督:山口I也    訳詞:松田直行 
     振付:広崎うらん    美術:島川とおる     衣裳:半田悦子 

 マクヒース        内野聖陽       ピーチャム       高嶋政宏
 ロキット         村井国夫       トム(フィルチ)    橋本さとし
 ルーシー・ロキット    島田歌穂       ポリー・ピーチャム   笹本玲奈
 老役者          金田龍之介  ピーチャム夫人/ダイアナ・トレイプス 森公美子
 ジェニー・ダイヴァー   入絵加奈子      ミセス・スラムキン   高谷あゆみ
 造幣局のマット      三谷六九       スーキー・トードリー  山崎直子
 くすね屋ネッド      水野栄治       ドーリー・トラル    山崎ちか
 ペチコート・チャーリー  小西のりゆき     ボブ・ブーティ     Kuma
 ジェミー・トゥイッチャー 川本昭彦       鉤指ジャック      幸村吉也
 ベン・バッジ       照井裕隆       ハリー・パディントン  村上勧次朗
 ミセス・ヴィクセン    泉 里沙       モリ―・ブレイズン   宮菜穂子
 キャリー         原田優一       フェッチ        小此木麻里

            公演期間:2006年1月8日(日)〜1月31日(火) 
  公演料金:S席12,000円 A席6,000円 B席3,000円 ステージサイドシート10,000円(税込) 

    観劇日:2006年1月12日(木)18:30〜 2階C列46番(A席)

東宝おなじみのミュージカル俳優が多数出演。宝塚や劇団四季出身者が1人もいないというのが
驚き。まさに「純正・劇団東宝」みたいな。ところでチラシの村井国夫はこれ、ジャベールの写真
じゃないのか? どうせなら他の2人もジャベールの写真にすれば良かったのに。。。っていうか
ジャベールが3人いるってのがすごい。ジャベール・オペラだ〜。ちなみにエポニーヌも3人だ。

冒頭、オールド・デュトロノミーか?老役者がポツンと1人ステージに。ステージシートの観客を
使って箱などセッティング。掃除までさせている。しかもわざわざゴミ落としてあるし。ステージ
シートの観客はこの他にも立って馬に乗るような演技(ダンス?)させられる、たびたび選ばれて
踊る、花をもらう、あいづち求められるなどイジられ役(?)として参加させられる。
2幕前にはキャスト総出で1階席、2階席で観客と交流〜。森公美子サンは観客に食べ物を要求。
うなぎ寿司やらワッフルなどをもらって食べていた。設定は乞食だからねー。観客は差し入れ持参
で行かないと。って、食中毒とか大丈夫なのかな〜。夏には出来ないね、この演目。
カーテンコール後もステージシートや最前列の人々はキャストと踊るなど、徹底的に観客参加型を
目指しているようだ。
舞台中央で話が進行している途中にも舞台横、奥にそれを見ているキャストが配置され、いろいろ
演技したり、移動したりするのでそちらも気になる。出番のない俳優の姿を見れるのはマニア受け
しそうだ。

で、内容についての感想だが、乞食が演じているというスタイルがいいし、テーマがトムの言った
「貴族も貧乏人も悪いが、罰を受けるのはいつも貧乏人」というなら、いいところをついていると
思う。マクヒースが貧乏だったのかどうかは置いといて。
ラストは先月ブロードウェイで観た「IN MY LIFE」と似たような落ち。「オペラは悲劇」
という考えも一緒だー。
シーン的には本編よりも、カーテンコールの群舞ダンスが良かった。いちばんミュージカルっぽく
て楽しい。

それにしても3幕もあるのはやはり長い。終演は22時だー。おつかれ。もっと短くできるはず。
曲数も短い曲が60曲(チラシによる)ってのは多過ぎ。長めの曲を20曲くらいでいいんじゃ
ないかな。印象があるメロディもないし。歌詞も原典がそうだからか古典詩的で抽象的な感じで
なんだかなー。

歌うまいのは村井国夫と島田歌穂だなー。しかし、1幕は2人とも登場せず。1幕後半まで主役の
内野マクヒースも出て来なかったり、やはり無駄に長過ぎるんだよね。その内野マクヒースは舞台
映えするし、いい男の女たらし役はハマリ役。でもやはり声量が・・・。捕まる時にハウリング?
のトラブルもあったようでマイクに声が通らない不運もあった。歌では笹本玲奈も期待してたけど
島田歌穂と対決するとやはり分がわるい。良かったのは原田、小此木の若い2人。ともにレ・ミゼ
の子役あがりだよね。東宝的には井上、笹本のさらに次の世代を担うスターになるのか。

オケは舞台奥の観客から丸見えのところにいるので、ちゃんと古い時代の服装をしていて時代考証
的にはバッチリ。でもキーボードの液晶は2階席からも良く見えてしまうので隠してほしい。

身近感やアットホームさを目指しているのはいいが、この劇場の大きさはそれに反している。
ステージシートは身近感を増すため、あるいは舞台上の余ったスペース(?)を有効利用、のどち
らの理由にも取れるが、いずれにしてももっと小さい劇場向けの作品だと思う。
チケットは完売しているというから興業的には大きな劇場で大成功みたいだけど。でも、完売と
言いつつ、この日は空席があったな。買っても来ない人がいるのか。
人気だからか東宝ミュージカルとしては初のDVD化されるそうだ。でも観客一体化を目指す舞台
なのにDVD化するってのはどうだろうか。劇場に来て楽しんでもらうコンセプトがくつがえって
しまうよな。それとも3時間以上もあるのでCD化よりは・・・って理由なのかな。

(参考)平日ソワレ上演時間
             1幕 18:30〜19:30 (休憩20分)
             2幕 19:50〜20:50 (休憩10分)
             3幕 21:00〜22:00 

top