ダンス・オブ・ヴァンパイア
帝国劇場
 
 
      音楽:ジム・スタインマン   脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ 
   追補:ジム・スタインマン   原作:映画「The Fearless Vampire Killers」
    翻訳:迫 光    翻訳・訳詞:竜 真知子   音楽監督:甲斐 正人 
  振付:上島 雪夫  装置:堀尾 幸男   照明:服部 基   衣裳:有村 淳 
   指揮 西野 淳     演出:山田 和也     制作:岡本義次・齋藤安彦 
 
 クロロック伯爵    :山口祐一郎  アプロンシウス教授    :市村 正親
 サラ         :剱持たまき  助手・アルフレート    :泉見 洋平
 宿屋の亭主・シャガール:佐藤 正宏  シャガールの女房・レベッカ:阿知波悟美
 女中・マグダ     :宮本 裕子  ヘルベルト        :吉野 圭吾
 せむし男・クコール  :駒田 一 

 男性アンサンブル:
  安部誠司、池田紳一、岩田 元、小原和彦、KENTARO、齊藤裕加、さけもとあきら、
  島田邦人、武内 耕、俵 和也、中山 昇、松澤重雄、水野栄治、山名孝幸
 女性アンサンブル:
  秋園美緒、足立美幸、家塚敦子、碓氷マキ、柏木ナオミ、樺島麻美、河合篤子、
  史桜、鈴木 結加里、徳垣友子、豊福美幸、難波美妃、水谷祐紀、やまぐちあきこ   
 ダンサー:
  新上裕也、加賀谷香、背戸田勝敏、原田みのる、東山竜彦、山田茂樹、一倉千夏、
  小嶋亜衣、坂井朋子、松村朋子 
  
           公演期間:2006年7月2日(日)〜8月27日(日) 
         料金:S席12,500円 A席8,000円 B席4,000円(税込)

  観劇日:2006年7月11日(火) 18時30分開演 1階R列42番(S席)

マイケル・クロフォードのブロードウェイ版が良かったのに短命で終わってしまい残念に
思っていたが、まさか日本でまた見れるとは思っていなかった。しかし、幕が開いた瞬間
からどうも違う。
登場するのはアルフレートで教授を探している様子で歌いだす。こんなシーン、BW版に
はなかったなぁ。この後、みんなで宿屋でガーリックの歌を歌うのであるが宿屋じゃなく
て別の酒場のはず。その後の宿屋に滞在中のシーンも微妙に違っており、かなりBW版と
は違う印象を受けた。違うとこがあるというより「同じところもある」と言った方がいい
ほどだいぶ違うものになった感じ。
教授の出番が冒頭からラストまでと多い、サラの風呂シーンも多い、伯爵が死なないなど
構成面だけでなく、城の大階段も小さいし、棺も縦でバーンとあるわけでないし、セット
もだいぶ迫力不足。歌も少ししか記憶にないがかなり違うように思う。
全体的には教授とアルフレートがかなり活躍して中心に描かれ、伯爵や特にサラの出番が
減った。つまり伯爵とサラの愛の物語から、教授とアルフレートのヴァンパイア退治物語
になったようだ。これは残念に思う。ウィーンのオリジナル版がこういう感じなのか?
こうなってしまうとなんかストーリー的にも矛盾があるような感じがしてならなない。

ま、作品としてはまったく新しい作品と思うことにして、キャストの感想。
山口クロロック。マイケル・クロフォードがやっていたことからも、この役の見せ場は歌
である。ということでだいぶ期待していた通り、歌自体はいい感じ。しかし構成的に見せ
所にズレがあるようでもったいない。歌のシーンが前後のシーンや全体の見せ所として生
きていない感じ。
剱持サラ。血を吸われた表情がいい。これがこの役の見せ場だと個人的に思う。
市村教授は見事にこなしているがもっと「らしさ」が欲しいなぁ。なんか「博士」メイク
でイメージチェンジしてるのが裏目にでているというか。
他のキャストでは宮本マグダ、吉野ヘルベルトが印象に残った。あとダンサーが別にいて
専門化しているのは正解だと思う。

伯爵の髪形がジャベールっぽいとか、幕間にクコールがリトル・コゼットのように床掃除
してたりとレ・ミゼラブルを連想させるつくりになっている。東宝だからか。これもオリ
ジナル無視から生まれたものなら残念である。

ロビーにコウモリが飾り付けられてるなど劇場の雰囲気づくりはいい。

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