モーニング娘。×タカラヅカ
シンデレラ theミュージカル
新宿コマ劇場
 
 
  脚本:リチャード・ロジャース   作詞・台本:オスカー・ハマースタインU世
       翻訳・訳詞:早川保清     演出・脚色:酒井澄夫
     振付:麻咲梨乃、御織ゆみ乃    振付助手:壇ひとみ、大畑浩恵 
  美術:和田平介   照明:笠原俊幸  衣装:有村 淳  ヘアメイク:田中エミ 
     音楽監督:吉田優子  音楽:鞍富真一、竹内一宏  演奏:新音楽協会 
           フライングコーディネーター:松藤和広 
         主催:「シンデレラ the ミュージカル」制作委員会 
      コマ・スタジアム、アップフロントエージェンシー、テレビ東京、 
         テレビ東京ミュージック、スポーツニッポン新聞社
                 協力:宝塚歌劇団 

  シンデレラ:高橋 愛            王子・クリス:新垣里沙  
  義長姉・ジョイ:田中れいな         義次姉・ポーシャ:亀井絵里
  伝令官・フランツ:久住小春         ページ:ジュンジュン、リンリン
  妖精/村娘/淑女:道重さゆみ、光井愛佳
  妖精の女王:麻路さき            継母:愛華みれ 
  王様:箙かおる               女王様:光あけみ

   舵一晴、鷹月笙、東三智、多彩しゅん、真山葉瑠、雅景、北山里奈、妃宮麗子、
   二葉かれん、真由華れお、大洋あゆ夢、松本菜穂、かずゆうと、光海あきほ、
   陽色萌、雪菜つぐみ、舞名里音、綾花ちか、草風なな、姿央みやび 

 公演期間:2008年8月6日(水)〜25日(月)  料金:S席9,500円 A席5,000円(税込) 

 観劇日:2008年8月6日(水) 17時00分開演(初日) 32列74番(A席)


新宿コマ劇場のミュージカルと言えばこの「シンデレラ」を何回かやってるよね。古くは
酒井法子版とか。最近は宝塚現役とOG合同でもやってた。今回もそれを引き継いだのか
全女性キャストで「モーニング娘。×タカラヅカ」というコラボ企画。たしか「リボンの
騎士」もこのコラボでやってたよね。

観てみると・・・・、まぁ、なんというか、、、、。変だよね。
ハロプロ独自のミュージカルでは女性が男役やることは日常茶飯事だったし、宝塚ももち
ろんそうなので、そういうところは気にならない。ただなんというか、両団体が舞台の上
でも見事に分割されているように見えるんだよね。コラボレーションという点ではあまり
成功してないのではないか。
たとえば王宮(城?)シーンでも、王様、王女様、王子などはさておき、家臣の伝令官、
ページの2人の他は「バリバリの宝塚メイク、髪型の長身のお兄さん召使い」。
町のシーンでも村娘の2人の他は「バリバリの宝塚メイクのお兄さん、お姉さんたち」。
ってやっぱ変だよ〜。
モー娘。側の男役の髪はただ後ろで束ねてるだけってのもねー。なんかアイドルとプロの
舞台人との真剣さの差が露呈しているようで超違和感。ハロプロ独自ミュージカルはまだ
アイドルのコンサートの延長として本格的ミュージカルとは別に切り離して観れるけど、
こうやって同じ舞台上に一緒に展開されるのは困るなぁ。かといってモーニング娘。の方
にもバリバリの宝塚メイクしてもらうってのも困る。

とはいえ主役の高橋シンデレラはさすがに宝塚にあこがれてバレエを習ってたと言うだけ
あって、ダンスシーンではホンモノ宝塚のアンサンブルを従えてバレエっぽい(いわゆる
ミュージカルによくある)振りで見事に踊っており溶け込んでいた。いや、溶け込みかけ
ていたと言った方がいいかな。
新垣王子は顔ちっちゃー。王子顔って言えば似合ってる。ただ、シンデレラとの身長調整
なのか、かなり厚底(5センチ以上)でヒールも10センチ以上あるブーツを履いており
とても気になった。よく普通に歩けたなぁ。
あとモー娘。関係で健闘してたのはイジワル姉役の田中れいなですかね。イジワルな表情
がよく出ていたし、シンデレラの言葉のマネなど笑いも取ってたので主役を狙えるかも。

音楽はやはり大御所2人の曲でかなり救われている。もう脱つんくでいいのではないか。
セットはフライングを使ってスペクタクルやメルヘン感を出しているが、使いすぎでは?
妖精の女王が家から馬車で城に向かうシンデレラをフライングして付いていく、みたいな
感じになっているのはどうかなぁ。12時の約束なんか家で話せばいいのに。
カボチャが馬車になるシーンもなんか拍子抜けかな。(ここはアイディア的にも苦しいと
思うけど・・・。)シンデレラの舞台化ではココがイチバンの重要ポイントだろうね。
他は背景は描き割りでシンプルなセット。

物語の根底を覆すようだが、靴に合う女性を探すのに全ての国民に試すってやはり無理が
あるなぁ。っていうか、靴がピッタリ合う人が1人しかいないはずって発想が・・・・。
余程、サイズや形が特異な靴なら別だけど。

構成的に3幕構成で話自体は2幕で終了なのはいいけど、ハッピーエンドで盛り上がって
緞帳が降りるとすぐにカーテンコールもなく休憩ってのは。。。あー、ミュージカル的に
はすごい盛り下がり。
3幕目はフィナーレということで冒頭から通常のステージ衣装に着替えたモーニング娘。
が持ち歌をメドレーで数曲歌い、その後はタキシード(男役)で麻路さきがブルームーン、
ドレス(女性役)で愛華みれがシャル・ウィ・ダンスと1曲ずつスタンダードナンバーを
バックダンサーを従えて歌う。ここも、超ポップなアイドルコンサートから宝塚の世界へ
と妙なギャップが炸裂。ミュージカル「シンデレラ」はどこへ行った??? あの感動の
ハッピーエンドストーリーの余韻は・・・。
その後の3曲目の後半でやっと元の舞台衣装に着替え戻った高橋シンデレラと新垣王子が
合流、その後に通常のカーテンコール。他のモー娘。メンバーも役の衣装に着替えて出て
くる。ま、ここで「シンデレラ」に戻ったけど、なんかなぁ。。。。
ジャニーズのミュージカルはカーテンコールで持ち歌とか歌ったりしないのになぁ。
まぁ、少なくとも2幕と3幕の間の休憩は入れないで宝塚のフィナーレのようにそのまま
盛り上げてくれるならOKなんだけど。
合計3時間20分くらいの上演時間はサービス精神旺盛で評価できるけど、やっぱ作品を
無視してる感は抜けないな。

観客はかなり男性陣が多し。初日だしね。しかし、平日だからか空席もちらほらあった。
すでに新しいジャンル(?)として「モーヅカ」なる言葉も通用してるので今後も続くの
だろうか、この企画。

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