宝塚歌劇団星組公演
三井住友VISAミュージカル
スカーレット ピンパーネル
東京宝塚劇場
 
     脚本・作詞:ナン・ナイトン    作曲:フランク・ワイルドホーン
      原作:バロネス・オルツィ      潤色・演出:小池修一郎
     振付:御織ゆみ乃、若央りさ、桜木涼介     殺陣:栗原直樹
      装置:大橋泰弘    衣装:有村 淳   照明:笠原俊幸
            スペシャルマスクデザイン:馮 啓孝
         音楽監督:太田 健    歌唱指導:楊 淑美


            パーシー・ブレイクニー:安蘭 けい
 マルグリット・サン・ジュスト:遠野 あすか     ショーヴラン:柚希 礼音
 アルマン・サン・ジュスト:和 涼華     マリー・グロショルツ:夢咲 ねね
 サンシール侯爵/プリンス・オブ・ウェールズ:英真 なおき

 ドゥ・トゥルネー伯爵:紫蘭 ますみ   ドゥ・トゥルネー伯爵夫人:万里 柚美
 シュザンヌ:琴 まりえ         ロベスピエール:にしき 愛
 ピポー軍曹:美稀 千種   メルシェ:祐穂 さとる   クーポー:鶴美 舞夕
 ルイ・シャルル:水瀬 千秋   シモン:美城 れん   ジャンヌ:朝峰ひかり
 ジェサップ:天緒 圭花         イザベル:花愛 瑞穂

 デュハースト:立樹 遥     フォークス:涼 紫央
 オジー:彩海 早矢       エルトン:夢乃 聖夏
 ファーレイ:麻尋 しゅん    ベン:紅 ゆずる     ハル:壱城 あずさ

 ケイト:蒼乃 夕妃     アン:華美 ゆうか     ジュリー:音花 ゆり
 ペギー:純花 まりい    ポリー:妃咲 せあら    サリー:稀鳥 まりや

          公演期間:2008年8月22日(金)〜10月5日(日) 
    料金:全席指定SS席10,000円 S席8,000円 A席5,500円 B席3,500円 


 観劇日:2008年9月4日(木) 13時30分開演 2階13列11番(B席)


冒頭のカッコいいファンファーレ〜オヴァーチュアはナシ。やっぱファンファーレから即
「マダムギロチン」のパターン(ブロードウェイ第1バージョン)がいいなー。
こちらはいきなり新曲「ひとかけらの勇気」だ。これをメイン曲にしようとしてるのか。
この後もパーシーが王太子ルイ・シャルル救出時に教える歌として、さらに王太子から
マルグリットに教えられマルグリットがパリで歌ってしまうなど、この曲を中心にシーン
構成がされてかなりの改訂が見られる。こんなに物語の中心に据えられる曲ってかなり力
が入ってるねぇ。さらにカーテンコールのメイン曲にもなってるし。既存の曲にあれだけ
すばらしい曲が揃ってるのにさらに新たなるメイン曲が必要だったかは疑問だ。
そもそも王太子がブロードウェイ版に出てきたかなぁ。(セリフとかではあったかもしれ
ないが。)謎のベルギー人も出てきたっけ?
ちなみにブロードウェイ版にあったマルグリットが歌う「ONLY LOVE」は帝劇で公演され
たばかりの「ルドルフ」に流用されてたこともあり、宝塚版ではカット・・・・。

とはいえ、これだけ改訂されても印象がいいのは作品がすばらしいからだろう。

男役に絶唱系が多い作品なのでやはり心配だった男声不足。。。でもショーヴランは健闘
してる。
宝塚らしい大群衆もいい。1幕のラストの舞踏会の貴族はパリの民衆役の人々もいるので
少なかったが、2幕の最初の貴族はすごい数だー。

ラストはなんかアッサリ。
ブロードウェイ版みいたにマルグリットも剣を取って戦うとか、パーシーがギロチンに
かけられるトリックとかやれば良かったのに・・・。ショーヴランが漁師の網にグルグル
巻きで捕らわれるのもナシだし・・・。スペクタクル的シーンはほとんどカット?
日本版はラストシーンが「ギロチンのある海辺の村」の設定が1つも活きてない!!

総じて日本版はやっぱ宝塚だからか、冒険活劇よりも男と女のドラマっぽく作られている
感じがした。男と女のドラマ(ボーイミーツガール物)は普通なら出会って惹かれあって
結婚でハッピーエンドって感じだが、この作品は最初に結婚してるため、新郎新婦の葛藤
を描くラブストーリーとなる。結婚がゴールではなく、そこから新たな苦しみドラマが始
まるのがなかなか新鮮だ。そのあたりを宝塚はうまく描いている。

パーシーのコミカルな面も踏襲してるし、ショーヴランの名前を間違えるとか、ギロチン
が見える建物の上から見下ろして歌うロベスピエールなどBWのスタイルはある程度受け
継いでいるのは懐かしくて良い。

あー、ブロードウェイ版再演しないかなー。
「ひとかけらの勇気」はいらん。
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