タイタニック 【TITANIC the musical】
東京国際フォーラム ホールC
 
       作曲・作詞:モーリー・イェストン     脚本:ピーター・ストーン 
        翻訳・訳詞・演出補:寺撫G臣     演出:グレン・ウォルフォード     
          振付:佐々木信彦 衣裳:十川ヒロコ ヘアメイク:田中エミ 
       美術:島川とおる 照明:高見和義 音響:実吉英一 音楽監督:清水恵介 

        トーマス・アンドリュース(タイタニック号設計士)   :松岡 充  
        ハロルド・ブライト(2等通信士)           :岡田浩暉
        フレデリック・バレット(ボイラー係)         :宮川 浩
        ウイリアム・マードック(1等航海士)         :戸井勝海
        イジドー・ストラウス(1等船客/アメリカ人実業家)  :光枝明彦
        イーダ・ストラウス(1等船客/ストラウスの妻)    :諏訪マリー
        ジム・ファレル(3等船客/アイルランド移民)     :Kimeru
        ケイト・マクガワン(3等船客/アイルランド移民)   :華城季帆
        アリス・ビーン(2等船客/アメリカ人女性)      :入絵加奈子
        J・ブルース・イズメイ(1等船客/タイタニック号船主):大澄賢也
        ヘンリー・エッチズ (1等客室係)            :藤木 孝
        ウォーレス・ハートリー(楽士団のバンドマスター)   :浜畑賢吉
        キャプテン E・J・スミス(タイタニック号船長)    :宝田 明

           エドガー・ビーン(2等船客/アリスの夫):青山明
           ミセス・シャーロット・カルドザ(1等船客):岡千絵
        ケイト・マーフィー(3等船客/アイルランド移民)他:池谷京子
        ケイト・マリンズ(3等船客/アイルランド移民)他:白木原忍
           チャールズ・ライトラー(2等航海士):乾あきお
ハーバート・J・ピットマン(3等航海士)、J・H・ロジャース:(一等船客/J・イェーツ)他:泉拓允
       ジョン・ジェイコブ・アスター(1等船客)、2等客室係 他:越智則英
  マデリーン(1等船客/アスターの妻)、ダーリーン・ワトキンス(バレットの恋人)他:森田香子
           ベンジャミン・グッケンハイム(1等船客)他:坂井成紀
           マダム・オーベール(グッケンハイムの愛人)他:樋口綾
             エドワード・ラティマー(ベルボーイ):武井基治
    フレデリック・フリート(監視員)、ダ・ミコス(ダンサー)、1等客室係 他:松原剛志
        ロバート・ヒッチンズ(操舵員)、ブリコックス(バンドマン)他:中西勝之
          テイラー(バンドマン)、3等客室係、ボイラー係 他:藤本徹
              ジョージ・ワイドナー(1等船客)他:金澤博
         エレノア・ワイドナー(1等船客/ワイドナーの妻)他:青木さおり
      ジョン・B・セイヤー(1等船客)、ジョセフ・ベル(機関士長)他:前根忠博
           マリオン・セイヤー(1等船客/ジョンの妻)他:塚本理佳 
           ジャック・セイヤー(ジョン&マリオンの息子):矢野太一
        イディス・コース・エヴァンス(1等船客)、1等客室係 他:歌山ゆき
          2等船客、ダ・ミコス(ダンサー)、1等客室係 他:福田えり
    ジョゼフ・ボックスホール(4等航海士)、少佐(1等船客)、乗り遅れた客 他:鹿志村篤臣


           公演期間:2009年1月24日(土)〜2月8日(日)(全24公演)
          料金:SS席12,600円 S席8,500円 A席7,000円 当日引換券7,000円

       観劇日:2009年1月25日(日) 12時30分開演 3階1列39番(S席)


BWで観て気に入った作品の1つ。題材もいいが、特に曲はお気に入りでサントラ良く聴きまくったなぁ。
一昨年の日本初演は都合で観れなかったが、今回ようやく観れた。まさか10年以上の時を経て日本で観れる
とは。感慨深い。そして開幕! お、おーー、オーバーチュア聞いただけで泣けてくる。やっぱ曲がいい!
で、でもちょっと音小さい。あれ?オケピの中にいる人、少なめ。もっと居てもいいのでは?

冒頭真っ先に歌いだす松岡アンドリュースはちゃんとミュージカルっぽい歌い方で驚いた。あと声量がもっと
出ていれば・・・。ビジュアル的にはやっぱアンドリュースには若過ぎ。タイタニック設計するにはちょっと
ねぇ。ブロードウェイでは風格充分のスキンヘッドMichael Cerverisだったんだしなぁ。
後半で沈みかけたときに船長と社長と責任のなすりあいをするが、やはり貫禄的に1人負けてます。
やっぱこの人のイメージ的には3等船客ジム・ファレル役だろう。大ヒットしたアノ映画ではジムみたいな人
が主役だったわけだし、映画を観てそのイメージで観に来た人は「タイタニックの主役・松岡」って聞いたら、
ディカプリオみたいな役を想像してただろうし。

宝田船長はビジュアル的にバッチリ。まさに船長のイメージ。ヤマトの沖田艦長もこういう感じだよなぁ。
その他のキャストも東宝系のベテランとか元四季とか、歌は万全で味がある人ばかり。特筆すべきは岡田、
宮川、入絵、華城だと思ったが、いずれも初演の時は別の人がやってた役。うーん、初演はどうだったんだ
ろうなぁ。観れなくて残念。
一等先客のダンスシーンで踊る大澄イズメイ。なんで社長自ら?と思ったが、本来踊るダ・ミコス役の
どちらかが怪我したらしく急遽変更になったらしい。踊りに文句はないが、やはり設定的には無理がある。

2幕の構成がブロードウェイ版とちょっと変わってたかも。こちらはライフボートの曲の後、静かなシーンに
なりちょっとダレますね。実際、沈没間際の船がどうかわからないけどこんな感じなのかなぁ。BWはボート
の歌からシュトラウス夫妻のデュエット、アンドリュースの歌とか一気に流れていたと思うけど。

セットはBW版より良かった。船首だけなんだけどこれの方が逆にちゃっちい感じがしなくていいや。
アーチ部分が沈んで何年も経ったような錆びれた船体をイメージする装飾になっているのもいい。「現在から
見た過去に事件」を示しているのだろうか?
客室の窓とかグランドサロンの貧弱な描き割りなどは使わず、BW版の不満はほぼ解決してくれていたようで
OKだ。子役のヨット持ち上げもないし。でも1幕ラストのタイタニック大型模型が海原を進むとこはあって
も良かったなぁ。
傾きはやっぱ映画の見過ぎ?って感じ。せっかくアンドリュース若いし主役として売ってるんだからBW版の
ように体を張って滑りをこらえながら歌って欲しかった。

訳詞も歌の重要フレーズの英単語は訳さず残してるので雰囲気が出てる。でも「お針子」はちょっと・・・。
演出も妥協なくキッチリ締めてる感じ。日本人の演出だと甘さが残っちゃうからね。

客席は日曜日なのに空席があるし、何故か当日引換券なんていう「空席ありまくりなので割引します」的な
チケットまで売られてるしもしかして人気ないの? その割には追加公演決定!なんて宣伝して好調アピール
してるようだけど。いい作品なので何度も再演して欲しいと思いますが。


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