BROOKLYN

                               PLYMOUTH THEATRE (NEWYORK)


                 11.DEC.2004  20:00〜  J7  MEZZ   $36.75(50%+$3.00)


    Taylor Collins     KEVIN ANDERSON       Streetsinger     CLEAVANT DERRICKS
    Brooklyn           EDEN ESPINOSA        Paradice         HANEEFAH WOOD
    Faith              KAREN OLIVO

 登場するのは上記5人のみ。あとVocalistとして2人〜3人の俳優がキャスティングされて
 いるが、その名の通り歌(コーラス?)担当らしくオーケストラとともに後ろにいて、
 カーテンコール時に私服っぽい服装でちょっと顔を出すだけである。
 上記5人は一応、役名がついているが、本来は「A City Weed」というストリートパフォー
 マンスグループのメンバーという設定で、この5人が街に現れて寸劇をする、という構造の
 作品である。その寸劇の中の役名が上記の役名で「Brooklyn」は舞台となるニューヨークの
 街ブルックリンの他に主人公の名前でもある。

 ストーリーは、パリで生まれた孤児のBrooklynが、父親を探してニューヨークのBrooklyn
 にやってきて、歌手として成功、父親に再会するが・・・・・。といった簡単な内容で、
 ラストにもうひとひねりあっても良いかと思わせる。アメリカっぽく麻薬を打つシーンなど
 長々とリアルに描くシーンがあって教育的には×かも。

 ストリートパフォーマーのやる劇ということで、5人が裏方やチョイ役になったりして実に
 うまく動く。そしてセットや衣装もゴミを利用している。どんなゴミなのかというと、
 主人公のBrooklynが歌手として有名になり、ライバルのParadiceとコンサート対決(?)
 するわけであるが、その時のカラフルな豪華衣装をなんとスーパーのビニールの買物袋で
 作っているのだ。ドレスにつきものの肘まである長い手袋は良く見ると穴の空いたハイ
 ソックス。他にも梱包に使うプチプチのやつとかも衣装になっている。小道具も輪の蛍光灯
 が天使の輪になったり、クギ抜きをサックスに見立てて演奏したり、ゴミ箱、マットレス
 など空き地のガラクタが大活躍。フェンスやカベも有効に使われ、右手カベには物語の
 SCENE番号を表す棒が出演者によりスプレーで書かれていく。シーン12まであり、見る物
 は劇を見ているんだという感覚が強くなりより舞台に引き込まれていく。他にも劇中に
 スプレーを使ってリアルタイムで地図や文字を書くなどしていて、ストリートアーチスト
 っぽい感じがする。毎公演後にいちいち消してるんでしょうねー、きっと。

 そして一番の見どころは歌か。出演者5人がよく歌う。曲が歌謡曲っぽいものの絶唱系の
 バラードが多くかなり聞き応えあり。メロディもいい感じである。
 今回Paradice役が代役であったが、それでも相当すごい歌唱力。新進歌手Brooklynに対抗
 するベテラン歌手役のためかなり聞き応えある持ち歌があり、見事に聞かせてくれる。
  Faith役のKAREN OLIVOもRentのMiMi役をやる実力派。Brooklyn役のEDEN ESPINOSAも主人公
 として力強く、Streetsinger役のCLEAVANT DERRICKSは黒人男性の太く包み込む歌声で、
 Taylor Collins役のKEVIN ANDERSONは堕落した父親を感情豊かに、どの俳優も歌は超一流。       
 これだけ歌える役者が揃ってさらにVocalist役がカゲに控えている。このVocalistがどこで
 どう歌っているのかよくわからないが、それぞれUnderstudyとして控えとしても準備して
 いるみたいで歌手の層は厚いと言える。ちなみにDance of the Vampiresのヒロインだった
 SARA SCHMIDTもVocalistにキャスティングされている。
 
 雰囲気的にはRentの2番煎じを狙った感もある。音楽的にもアイディア的にもいいが
 やはり出演者の総数が5人というのは迫力がない。途中休憩なしの一幕ものということもあり、
 オフ・ブロードウェイの小さい劇場でやった方が良さそうな作品である。ここの劇場で現在
 満席状態なのはそれはそれですごいことなのだが。。。。
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