GOOD VIBRATIONS

                        EUGENE O'NEILL THEATRE (NEWYORK)

                        (Preview , Opening 2.FEB.2005)



              29.JAN.2005  20:00〜  D5  ORCHO   $54.00(50%+$3.00)

    Bobby           DAVID LARSEN             Caroline        KATE REINDERS
    Eddie           TITUSS BURGESS           Dave            BRANDON WARDELL
    Marcella        JESSICA-SNOW WILSON
    Jan             SEBASTIAN ARCELUS        Dean            DAVID REISER
    Country Dude    JOHN JEFFREY MARTIN      Bikini Girl     AMANDA KLOOTS

 Beach Boysの曲を30曲以上も作って構成したという新作。MAMMMA MIA!以来、ほんとにこの
 手の作品が増えた。今後もたくさん予定されている。
 とは言いながら、Beach Boysの曲と言っても実は私はよく知らないので、ほとんど新曲ミュー
 ジカルといった感じで観た。Beach Boysというからには「真夏の海」というイメージの作品
 だろう、というぐらいの気持ちである。
 
 冒頭の曲が「Fun!Fun!Fun!」という曲で、いきなりいい感じ。振付も波とかサーフィンを振り
 で表現した感じで、しかもカンパニー総出演で迫力がある。久しぶりに出演者がたくさんいる
 ミュージカルで見応えがある。最初は高校時代のシーンから、というのもあるのだろう。まさ
 に若さ爆発といった感じである。
 その後はさすがに30曲以上、というからには曲また曲の連続で、しかもノリのいい曲ばかり
 で、物語はどんどん進む。高校卒業して仲の良い男3人が田舎町からカリフォルニアのビーチ
 を目指すが、行く車がないので車持ってる近寄り難い優等生の女1人を誘って、、、、、と
 いった感じでストーリーは明快。途中で「私の車が目当てだったのね!」とバレて詰め寄られ
 ても、言い訳するよりも、また歌。いきなり歌い出すとすぐに許しちゃう。ってのもすごいが、
 それが妙に説得力のある曲と演出だ。
 
 セットは冒頭が高校のシーンのためか、古臭い感じの建物の中、という感じで作っている。
 なんかFAMEっぽい。旅に出ても車を舞台中央に置き、セットはほとんど変えず、後ろの
 スクリーンでドライブの背景を映し出している。途中、ドライブイン等に立ち寄るが、それも
 同じ古臭い閉塞的な建物っぽさが残ったままだ。それだけに一幕ラストに海に着き、余計な
 ものが全部はけて、真っ青な海(の背景画)が現れると、すごい開放感。結構狙った感じ。
 二幕からはビーチで水着&サーフィンで本当のBeachが始まる。二幕冒頭の波のセットが良い。
 スケードボードのようなものだが実際サーフィンしてるように見えるのもおもしろい。

 2幕の内容も曲がバンバンつながっていき、ビーチが舞台ということでほとんどストーリー
 は2の次で水着ショーといった感じである。ラストは冬になってビーチとはほど遠いところ
 でコート姿で再会とかいうギャップを作っているが、これはどうかな〜。
 全体的にやはり、ちょっと曲数、多過ぎか。実際、数フレーズしか使われてないだろう、と
 思える曲もある。
 カーテンコールになっても3曲バッチリあって、これがMAMMA MIA!同様スタンディングで
 盛り上がる。冒頭の「Fun!Fun!Fun!」も同様の振りで繰返されるが、結局は全体通して、
 この曲が一番良かった気がする。冒頭ということで、かなり力を入れたのではないだろうか。
 作品のロゴ入りの特大ビーチボールが何個も登場してカーテンコール時にキャストと観客で
 キャッチボールのようなことも行われる。このビーチボールは曲終了後にステージに返してる
 人もいたが持ち帰っていいようである。

 主役のDAVID LARSENは、ちょっとかすれ声だった。後半には復活して気にならなくなったが
 確かに歌が多くて大変である。友人DaveのBRANDON WARDELLは高めの声が出てこの手の曲には
 ちょうどいいコーラスアシストをしている。もう一人の友人TITUSS BURGESSも田舎に恋人を
 残してきた役で、熱唱ナンバーがあり、かなり観客の拍手をもらっていた。
 ヒロインのKATE REINDERSはまさにヒロインという感じで女優陣の中では目立っていた。
 他のキャストも全て若手でそろえてるが、さすがにみんな高校生役はちょっと無理がある。

 見終わって全体的に考えてみれば、新作ということで少しの新鮮さはあるものの、2番煎じ
 3番煎じのレッテルをくつがえすだけの斬新さはない感じである。ビリー・ジョエルの曲で
 まとめたMovin'outがキャストは歌わないロック・バレエという形で相当な斬新さを出した
 のに比べれば全然足りない。若い友人4人のその後の物語というのも6人の物語のMovin'out
 とかぶっている。意識しすぎたのかMAMMA MIA!を連想してしまう部分もあった。
 ビーチのセットも頑張ってはいるが、本物の水で作るとかのアッと驚く斬新さが欲しい。
 そもそも何故、この真冬の一番寒い時期にオープンするのかも疑問である。それが狙いなの
 かも知れないが。実際にビーチ気分が高まる夏まで続けばいいのであるが、ちょっと心配。
 まぁ、ブロードウェイがだめでも、マイアミとかカリフォルニアとかでやれば、結構そっち
 の方がウケるのではないかな。水着で来る客とかもいるかも。 
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