THE MOST HAPPY FELLA


                     NEW YORK STATE THEATRE (NEWYORK)


                  17.MAR.2006  20:00〜  E108  Fourth Ring   $25.00

                Based on Sidney Howard's "They Knew What They Wanted"
                      Book, Music, and Lyrics by FRANK LOESSER
  PRODUCTION:  
    Conductor: George Manahan              Director: Philip Wm. McKinley
    Choreographer: Peggy Hickey            Set Designer: Michael Anania
    Costume Designer: Ann Hould Ward       Lighting Designer: Robert Wierzel
    Sound Designer: Abe Jacob              Chorus Master: Charles F. Prestinari

  CAST:  
    Tony:  Paul Sorvino        Rosabella: Lisa Vroman      Joe: Ivan Hernandez
    Marie: Karen Murphy        Cleo: Leah Hocking          Herman: John Scherer
    Doctor: Eddie Korbich      Clem: Matt Bailey           Jake: Paul Castree
    Al: Ryan Silverman         Ciccio: Andrew Drost        Pasquale: Bruce Winant
    Giuseppe: Matthew Surapine          Cashier/Postman: William Ryall

リンカーンセンターにあるニューヨーク・シティ・オペラやシティ・バレエをやっている劇場。
隣のメトロポリタンの方は行ったことがあるがこちらは今回初めて中に入った。ロビーの広さも
すごいし、ドーンと置かれた巨大彫刻やその上にある回廊(?)のようなものも含めかなり豪華な
作りで、メトロポリタン劇場にひけを取らない感じである。演目は一応ニューヨーク・シティ・
オペラの公演となっているが、Guys and Dollsでも有名なFRANK LOESSERの古典的ミュージカル
である。役者もThe Phantom of the OperaのChristineでも有名なLisa Vromanをはじめ
ミュージカル系の人が多く、キャスト表にもNEW YORK CITY OPERA debut artistのマークが
ほぼ全員に付いている。  
つまり、豪華な劇場で装置、オケなどはオペラのもの、演目、キャストはミュージカルという公演
なので結構楽しみであった。

いい雰囲気で開幕するとやはりセットがキレイ。出演者も多くフル・オーケストラなのもいい。
そしてオペラ劇場なので字幕設備も整っていて英語の歌なのに英語字幕で出るのは日本人には
うれしい。セリフ部分になると基本的に字幕なしだが、主人公がイタリア移民という設定である
ためか時々イタリア語が混じっているらしく、それは英語で字幕が出る。
ダンスシーンもちゃんとあって群舞は大人数なのと舞台が広いのとバレエを応用した高度なダンス
など見応えがある。
衣装は農園が舞台なのでどちらかというと地味なはずであるが限界まで華やかな感じになるように
工夫されている感じがした。

ストーリーは古典すぎ。もちろんオペラよりは古くはないが。文通相手にイイ男の写真を送って
ウソついてしまうとかは懐かしいくらいよくありすぎなネタだ。バレても女性の方は戻るところ
がないからと言って仕方なく結婚してしまうというのも今の時代では考えられないくらい古すぎて
共感できず傍観するしかない。いいタイミングで交通事故に遭ってしまうパターンなどは、流行り
の韓国ドラマ的で最近でも受け入れられるのかもしれないのであるが。邦題では「いちばん倖せな
奴」と訳されているそうで話の中心が中年男になっているところはおもしろいと思う。部下をとり
まとめる信頼されるボス(農園主)でありながらも女性の前では不器用な男だったり、若い部下
(農夫)との三角関係に悩む姿などは現代の企業社会などでも充分ありうる話で共感がもちやすい
のではないか。ナパ・バレーのブドウ農園が舞台という設定だがストーリーには直接、関係ない
ようだし、いっそ舞台やアイテムなど現代風にアレンジしてもおもしろいのではないかと思う。

歌は本作を別の公演で観た事ないので通常はわからないが、みんなオペラチックに歌っていたと
思う。ソロはなかなかきれいな歌声が響いていたし、コーラスも厚みがあった。雰囲気や迫力など
視的な感覚も手伝ってそう思えるのかもしれないが、メロディにあまり印象はないけどいい曲が
多い。

席はやはり大劇場のためか満席にはなっていないようだった。4階席の後ろはガラガラ、見える
限りサイド(BOX)もガラガラだった。
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