JERSEY BOYS

                AUGUST WILSON THEATRE (NEWYORK)



       18.MAR.2006  14:00〜  ROO11  STAIR2 90STND   $26.25

  Frankie Valli     JOHN LLOYD YOUNG       Tommy DeVito     CHRISTIAN HOFF
  Nick Massi        J.ROBERT SPENCER       Bob Gaudio       DANIEL REICHARD
 
    French Rap Star,Hal Miller,Barry Belson and Others    TITUSS BURGESS
    Hank Majewski,Stanley,Joe Long and Others             STEVE GOUVEIA
    Bob Crewe and Others                                  PETER GREGUS
    Nick DeVito,Billy Dixon,Norm Waxman and Others        DONNIE KEHR
    Joey and Others                                       MICHAEL LONGORIA
    Gyp DeCarlo and Others                                MARK LOTITO
    Mary Delgado and Others                               JENNIFER NAIMO
    Miss Frankie Nolan,Lorraine and Others                ERICA PICCININNI
    Francine,Angel,Frankie's Mother and Others            SARA SCHMIDT
 
MAMMA MIA!から始まったジュークボックスミュージカル(一部ではカタログミュージカルとも
言われている。)も大流行の末、乱立し短命作品も多くあったが、久々のヒット作と言われて
いる作品である。題材はFOUR SEASONS。曲だけもらってちりばめただけでなく、ストーリーも
FOUR SEASONSの伝記となっている。厳密には解散後ソロになったFrankie Valliの活動や曲も
含めて描いている。
かなりの人気作で売り切れ状態。Rushチケットも公式には学生Rushしか公表されてなくて一般
人には安く見る方法はないかと思っていたが、劇場で直接聞くと立見席があるようで、開演1
時間前(!)に販売とのことである。で、1時間前に行くと、入口は早めに来てしまった開場
待ちのチケットホルダーの人で混雑していたが、立見席を買いたい人の列は知られていないの
か3人しかいなくてすんなり買えた。劇場は昔VIRGINIA THEATREと言っていたところ。

開幕するといきなりラップ。これには驚いた。昔のグループの話なのに。でも、その後は最後
まで古くさい曲が続く。振りもグループコーラスレベルのステップがあるだけだ。曲はノリが
良いので客は踊ってもさしさわりのない曲が多い。FOUR SEASONSの曲はあまり知らないので
あるが、SherryとCan't Take My Eyes Off Of Youぐらいは知っている。というか作り手も
そういうことを意識しているのか、この2曲をそれぞれ1幕と2幕の見所というかメインに
して作っている感じがする。観客もそれに応えた感じでこの2曲には歌い出しで待ってました
とばかりに拍手が起こる。
Sherryは特にもったいぶった感じで長くイントロが続き、やっと4人が歌いだす。でも記者達
を前にしたシーンなので、横向き(上手側に記者役らがいる。)になっていて観客から見たら
まだオアズケ状態。中盤からクルっと客席正面に向き直り、ドッと盛り上がる。その後も彼ら
がブレイクした頃のシーンにリンクしているので2曲ほどヒットナンバーがこれでもかと続く
という観客の心をくすぐるうまい構成になっている。もちろん終わったら大拍手だ。
Can't Take My 〜はFrankie Valliがソロになったあとなので一人だし、もったいぶらせて
いるわけでもないので寂しい感じだが、途中から出てくるホーンセクションがいい感じで盛り
上げている。

ストーリーはグループの歴史をたどるだけで、デビューから一時代を築いて衰退するまでと
よくある話である。ノンフィクションなので話を変えることもできないためか、斬新さがなく
て素直にファン向けに作ったストレートな作品に見える。ミュージカルとしてはあと一つ二つ
ひねりが欲しい。珍しいのはヒロインと呼べる人がいなくて女性キャストにはあまりスポット
が当たってないということぐらいか。女性キャストを含めメンバー4人以外はかけもち(アン
サンブル)となっている。その主役のグループメンバー4人は、どれだけ本人に似ているかは
わからないが芸達者である。他の人が代役やってできるの?といった感じさえ受ける。4人は
歌の合間に交替で観客に向かい説明もしている。つまり狂言まわし的な役を新たに作らないと
いうのも素直な作りだ。

舞台中央段に橋があり、そこの行き来が時空を表しているようだ。伝記もので長い年月を描く
にはこういうアイテムがあると話が進めやすい。ここでただ往来する時もあれば少し立ち止ま
って話す時もある。普通の立見位置では橋の上は見えないが、最後部席の背もたれが鉄格子状
なのでその隙間から覗くとなんとか見える。最後部席の人も座高によっては普通に座っていて
も見えていないと思うが、最後部席でも96ドルするので金額的にそれではかわいそうだ。
目ぼしいセットはこれくらいで他は歌手としては必須アイテムのマイク(せり上がる)や車の
運転席、ソファー、テーブルなどの小物ばかりでいたってシンプル。あとドラムセットが2つ。
叩いているのはオケの人らしく、キャストに溶け込み、2台で交替しながらうまく叩いている。

ラストはカーテンコールの開始とともにスタンディング。人気の高さをうかがわせる。BC/EFA
(Broadway Cares/Equity Fights AIDS)のスピーチ後、ロビーではFOUR SEASONS役4人
そろってのチャリティサイン会。まるで本物のノリだ。

FOUR SEASONSの日本での潜在人気はどうだかわからないがキャストのことを考えても日本では
やらないと思うが、最近はTHE BOY FROM OZなんかも翻訳上演しちゃったりするしなぁ。
FOUR SEASONなだけに四季向き? 
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