HAIRSPRAY

                 NEIL SIMON THEATRE (NEWYORK)


           18.MAR.2006  20:00〜  A109  ORCH   $25.00

 Tracy Turnblad     SHANNON DURIG         Edna Turnblad       BLAKE HAMMOND
 Velma Von Tussle   LEAH HOCKING          Amber Von Tussle    BECKY GULSVIG
 Penny Pingleton    DIANA DeGARMO         Prudy Pingleton     JOANNA GLUSHAK
 Wilbur Turnblad    KEVIN MEANEY          Motormouth Maybelle DARLENE LOVE
 Seaweed J.Stubbs   TEVIN CAMPBELL        Link Larkin         ANDREW RANNELS
 Corny Collins      JONATHON DOKUCHITZ    Little Inez         CHLOE SMITH
  
開演2時間半前というちょっと早めのRush抽選で当選。外れたら別の抽選に向かえるので行き
やすい演目である。久しぶりに観たが、やはりミュージカルの王道を踏襲し、いい作品である
ことを再認識。ストーリーは忘れていたが「あ〜、こうだったこうだった」と思い出しながら
見れた。

特に目を見張るのはやはり群舞。ホントにみんな良く踊る。Rush席は最前列なので目の前と
いうこともあり超迫力、というか恐いくらい。タイトル通り女性陣のヘアスタイルもすごい。
それで激しく踊ったりするわけだから大変なものだ。曲も聴かせる曲や踊りたくなる曲をちり
ばめうまい構成である。カーテンコールのYou Can't Stop The Beatも親役のキャストもバン
バン踊っている。自分も踊りたい衝動にかられた。このカーテンコール曲の振りを覚えたい。

演出面でのうまさも光る。例えばオープニングの入り方、ベルが鳴ると周りがストップして
想像の世界で動きだす、3人の親子がシンクロしている点など舞台ならではの演出効果が生き
ている。曲のリプレイにより、シーンとシーンの場つなぎを退屈させない配慮もある。
登場人物もソウルフルな歌を聴かせる黒人女性のMotormouthや盛り上げ司会のうまいキャラ
のCorny、いじめられ子役Little Inezなどバラエティに飛んでいておもしろい。

役者陣もうまい人が多い。代役が多い日だったがそんなことは微塵も感じなかった。
Penny役DIANA DeGARMOは高視聴率を獲得しているらしい「American Idol」というTV番組
(スター誕生のようなものか。)出身ということでアメリカでは認知度が高いらしく、3番手
くらいの脇役であるものの、広告に「Welcome! DIANA DeGARMO」などと紹介され集客に貢献
しているようだ。CDも出しているようなので歌もうまく、主人公の親友という地味なメガネ
の役どころなのだが確かに華があって目立つ。この手の役のお約束、ラストでメガネを取って
美人に変身、なんてシーンにはうってつけだろう。
Amber役のBECKY GULSVIGもかわいい系でいわゆる派手系なライバルといった役どころを好演
し印象が強い。声もいい感じだ。こういう役者が各演目に一人は欲しい。

この作品のPLAYBILL表紙が未だカラーなのには驚いた。カラーにするにはPLAYBILL社に別途
お金を納めないといけないと聞いたことがある。(白黒は無料。)確かにオープンしたばかり
の作品は気合が入っているので有料でカラーにしてもらってるんだろうけど、しばらくすると
白黒になるのが普通だ。WICKEDも未だカラーだが集客率100%を誇る人気作であるから当然の
感もあるし、オープンはこちらの方が先なのでそれを考えるとすごいことである。こういこう
些細なところからも制作サイドの意気込みが伝わってきて、作品の元気度が伝わってくる。
客席は比較的Tracy体型の方々が多いようだった。こんな作品を観たらみんなが元気になれる
ことは間違いない。

近年のミュージカル→映画ブームに乗って、映画が原作であるこの作品もミュージカル映画と
して再映画化が決まったそうだ。是非、ダンスシーンはこのまま多用して欲しい。Edna役が
JOHN TRVOLTAだそうで既に話題だけ先行している感じだが、決してウケに走ったり、ネーム
バリューに頼って話題性だけで終わってしまわないようにして欲しいと思う。
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