The Threepenny Opera

                              STUDIO 54 (NEWYORK)

                          (Preview , Opening 20.APR.2006)


                  29.MAR.2006  14:00〜  JJ1  MID MEZZ   $26.25(Rush)

    Macheath       ALAN CUMMING            Jenny         CYNDI LAUPER
    Mr. Peachum    JIM DALE                Mrs. Peachum  ANA GASTEYER
    Polly Peachum  NELLIE McKAY            Filtch        CARLOS LEON
    Lucy Brown     BRIAN CHARLES ROONEY    Tiger Brown   CHRISTOPHER INNVAR
    Robert         ROMAIN FRUGE            Jacob         ADAM ALEXI-MALLE
    Walter/Betty   MAUREEN MOORE           Vixen         DEBORAH LEW
    Dolly/Jimmy    BROOKE SUNNY MORIBER    Molly/Bruno   CHRISTOPHER KENNEY

オーバチュアの後、いきなりCYNDI LAUPERのアカペラでスタート。舞台も観客も静寂。曲は名曲
「Mack the Knife」だ。この曲はやはり秀逸。もうこれだけでいい感じである。

1月に同じ物語を源流とする「ベガーズ・オペラ」を観ていたので、曲はもちろん違うものの、
登場人物やある程度のストーリーはだいたい一緒でいい予習になっていた。ただ、3幕で3時間
以上もあった「ベガーズ・オペラ」に比べるとこちらは至ってシンプルな感じがするのは当然。
大胆な試みもあって前衛的な感じがする。現代アートのようではっきりとした解釈が得られない
抽象的な演出も多い。
オーバチュアの最中に化粧をするシーンがあって出演者が2人1組で相手の顔(片目の周り)に
縦線を付ける。ラストにMacheathが自由になるときに同様の方法で落とす。乞食が演じるオペラ
ということを表そうとしているのだろうか。また、カーテンコールがない、というのも驚きと
いうか大胆である。
舞台上部に字幕用の電光掲示板があって、一応、オペラのマネをしようとしていると思われる。
曲名とシーンナンバーの表示が主で、時々、「みんなで歌いましょう」という辺りとか、英語
以外の言語で歌っているアリアっぽい曲などで歌詞の字幕も出る。なぜかドイツ語が表示される
こともある。シーンナンバーとシーンタイトルは出演者が交替で説明したりもする。又、セット
の背後のネオンがシーンタイトルそのものだったりする。こうやってシーンをきっちり分割して
進行させていくことに重点を置こうとしているのだろうか。
セットも至ってシンプルである。ベッド、イスなどはあるが大がかりなセットはない。乞食の
オペラなので豪華なセットというのもないだろうが、抽象的すぎて観客の思考や想像を誘う
セットになっている。PeachumのStableシーンも後ろが全面鏡だったりする。照明もなんか青白
っぽさが目立つ。
また、Peachum夫妻はスーツ姿だし、設定は現代になっているっぽい。牢屋の感じもそんな感じ
になっている。囚人服はオレンジ色のつなぎで消防署のレスキュー部隊のようだ。最後に
Macheathが自由になった時にその格好で「I am rescued!」と歌うがちょっと聞き違えれば
「I am rescue」である。というかワザとシャレになってるってわけじゃないよね〜。
バンドは両サイドに配置されている。管楽器などもあってフルオーケストラに近いが、あの位置
であの構成はちょっとうるさい。

キャストはイメージ的にはピッタリのALAN CUMMINGなどメインキャストは豪華な顔ぶれ、という
はずなのだが、それぞれソロナンバーがあって見せどころはあるもののイマイチ見せきれてない
のではないだろうか。曲が難しいのか歌うので精一杯という感じもする。逆にメインキャストで
はないがLucy役のBRIAN CHARLES ROONEYは目立つ。男が演じているのだが、Pollyとの言い争い
の歌やアリアなど、歌う時は見事な女声(ファルセット?)でしゃべると男声となかなかすごい。
Lucyは「ベガーズ・オペラ」では島田歌穂が演じた役どころである。苗字がBrownになっている
のでTiger Brownがお父さんの看守(ベガーズでは村井国夫ロキット)となる。他の役もだいぶ
ウェイトが違う。CYNDI LAUPERのJennyは入絵加奈子がやってた娼婦の役どころであるが、1幕
はほとんど出てこないものの、やはりCYNDI LAUPERだからか大きく扱われている。

STUDIO 54 1階席のテーブルはなくなったようだ。今回観たRush席というのは2階後部のサイド
だったが劇場の構造がいいのかこの場所でもとても良く見えた。この演目のRushは2階後部席が
売れ残ってたら当日安く売る、というスタンスになっているらしい。プレビューが始まった直後
は満席のようでRush自体もなかったが1週間ほど経った今日はちゃんと買えた。また2階後部の
センターはRush対象でないためか随分空席があった。さらにいい席はTKTSにも出ている。
豪華俳優陣を集めたのがウリなところもあるためか、スケジュール的にもロングランは最初から
想定していないようで6月25日までの期間限定公演である。
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