The PHANTOM of the OPERA
CURRAN THEATRE (SAN FRANCISCO)
28.OCT.1998 20:00〜   D105 ORCH $77.75(Will Call) The Phantom MICHAEL LACKEY Christine Daae LISA VROMAN Roul CHRISTOPHER CARL Carlotta KRISTA WIGLE Monsieur Andre MARTIN LEWIS Monsieur Firmin RICHARD GOULD Madame Giry REBECCA JUDD Ubaldo Piangi GUALTIERO NEGRINI Meg Giry JENNIFER GOULD Monsieur Reyer ROBERT K.RUTT Buquet RANDALL GREMILLION Monsieur Lefevre RONN EALY 私が生まれて初めてPhantomを観たのはここSAN FRANCISCOだった。その頃とPhantom もChristineもメインキャストは変更なし。しかし、ChristineのLISA VROMANは 2回目になるもののPhantomのFRANC D'AMBROSIOには一度もめぐり会えず今日も代役。 SAN FRANCISCOは1stナショナルツアーといえども一歩も動かずもう5年になるわけ で、ロングランになると本当に一週間のうちにどれだけ登場するかは疑問です。 いろいろなアンダースタディの実践の場にもなっているとは思うのですが、マチネ とかに固定して欲しいものです。ちなみに、今回もAndreがPhantomなのですが本日 代わりにAndreをやった人はスタッフ欄によるとアシスタントダンスキャプテンも 務める若い人でした。(ちなみにRoulのアンダーでもある) どうせなら踊るAndreを 見せて欲しいと思っていたら、イルムートの3幕バレエを紹介したあとバレエの ポーズで去っていくというバージョンでやってくれました。昔、SAN FRANCISCOで 観たときは3人のバレリーナとぶつかりそうになるという3段攻撃だったがやはり 演じる人によるのか? そして以前のSAN FRANCISCOで印象に残っていたのは ハンニバルのラストのPiangi。象になかなか登れないどころか剣もなかなか抜け ないというダブル攻撃は今回も健在。こちらは演じる人は変わっているのに。 これぞSAN FRANCISCOの伝統を受け継いでいるということでしょうか。 さて、Phantomですが、前に観たときにその3回ぶつかりそうになるAndreを やっていた人で、この時も本Andre役がPhantomの代役をやっていたので、前は Andreのアンダースタディだったということになります。それが今や本Andreになって Phantomの代役をやっている。つまり、次回またここのPhantom観る機会があったら、 今回の代役Andreであるアシスタントダンスキャプテンが代役Phantomやっている なんてこともありうるかも。その時は踊るPhantomを見せて欲しいものです。 いや、次回観るとしたらもう代役PhantomじゃなくてFRANC D'AMBROSIOがいいなー。 そんな感じだから、AndreもそしてそのコンビであるFirminも他のプロダクション より若く、今回のPhantomも「通常Andre役ならまたおじさん系のPhantom〜」など とは少しも思えないのです。 仮面を取られる前の作曲のシーンでは、時々笑い声を発しながら軽快に指揮を振り、 スイスイと作曲しています。とても楽しそうです。また、この後Christineが仮面 を取りにきますがこれを2、3度かわすために通常は燭台を直したりするのですが、 このPhantomは作曲がはかどりすぎたのかペンのインクが出なくなってしまって ペンを振ったりインクビンをとったりする演技でChristineの手を交わします。 この前のシーンのChristineを地下に連れて来てマントを脱いだあとはしっかりと 頭をなでていました。日本では有名なシーンになりつつありますが、トロントは 少しなでるものの、ブロードウェイやフィラデルフィアでは何もしていなかった ので久しぶりの感覚に襲われました。この人の歌は結構伸びがよくて伸ばすところ はしっかりと伸びて気持ちよく聞けるのですが、実はその前とかにヘンなところで 息継ぎをしているので結構気になりました。 Music of the nightの時などは仮面をしていても表情が豊かで手の動きや振りなど も優雅に動いていますが、なんか動きがスローなままであまり機敏な動きがない。 そして首のしゃくり方、振り方、くちびるの動きなどの動作がまるでトカゲのよう な爬虫類チックで結構、怪奇系のPhantomを目指しているみたいです。ラストで顔が 明らかになってからはさらに悪霊にとりつかれたように狂気に走ります。そして 狂気が最高潮に達した所でChristineのキス。あらら、どうしたことでしょう。 狂気が崩れ幼児のようにおとなしくなってしまった。首の振り方もまるでお人形 さんのようで子供になって普通のいい子になってしまった。まるで生まれ変わった かのよう。何もかもすべてを忘れ、きっとどこかで全く違う第2の人生を歩んで ゆくであろうPhantomを思わせるラストであった。 さて、他のキャストも少し。Roulは待ちに待った甘い声のRoul。首のロープが 切れた時にPhantomに襲いかかろうとする程、血気盛んでもある。マスカレード の後、Phantomの正体を訪ねようとMadame Giryを追いかけて後ろから腕をつかむと 何を勘違いしたのかMadame Giryが「キャー」。Roulの勢いが凄かったのもあるが、 この時のMadame Giryもパニック状態だったようだ。そう、Madame Giryは結構 どこで観てもだいたい同じという印象があるのですが今回はちょっとニュアンスの 違うMadame Giryだった。もうこのパニック状態の時からPhantomが恐くてしょうが ない感じである。その後のドンファンの勝利の稽古の時もまるでうわの空状態で 手紙を読む時も他のように堂々とした様子はなかった。 最後に余談ですが指揮者(マエストロ)の話。マチネで観たMiss Saigonは女性の方 でその長い髪が指揮をする時に目立っていて、ソワレのこのPhantomの指揮者は 男性でしたがスキンヘッドでこちらの方も結構目立っていました。
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