REALLY USEFUL FILMS  Present
MARIE CHRISTINE
(Preview , Opening 2.DEC)
       VIVIAN BEAUMONT THEATER at LINCOLN CENTER (NEWYORK) 3.NOV.1999 20:00〜 C213 LOGE20 $45.00(PLAYBILL Offer) Marie Christine L'Adrese AUDRA McDONALD Dante Keyes ANTHONY CRIVELLO Marie Christine's Mother VIVIAN REED Prisoner#1 JENNIFER LEIGH WARREN Prisoner#2 ANDREA FRIERSON-TONEY Prisoner#3 MARY BOND DAVIS Lisette(Marie Christine's Maid) KIMBERLY JaJUAN Jean L'Adrese KEITH LEE GRANT Paris L'Adrese DARIUS de HAAS Old Dante/Bar Patron MICHAEL BABIN Magdalena MARY TESTA Petal/Olivia Parker JANET METZ Duchess/Grace Parker KIM HUBER Old Dante/Bar Patron MICHAEL BABIN Gates SHAWN ELLIOTT Helena DONNA DUNMIRE Leary MICHAEL McCORMICK McMahon MARK LOTITO Chaka(drums) DAVID PLEASANT  別にこの日はRAGTIMEキャストのその後を追いかけていたわけではないが、  BRIAN STOKES MITCHELL演じるCoalhouseの相手役といえばSarah役の  AUDRA McDONALDである。初のタイトルロールとなる新作とのことであるが  この演目は1カ月以上もプレビューするのに実際の公演期間は12月2日から  1月9日までのやはり1カ月ちょっとという期間限定作品である。  劇場はリンカーンセンター内のVIVIAN BEAUMONT THEATERで舞台のメイン部分  が客席に円形に張り出し、奥の方は傾斜舞台になっているという前方後円墳  というか客席からみると後方前円墳(?)のようなスタイルになっている。  冒頭は刑務所のシーンで大勢の囚人たちがMarie Christineに向かって、  「だれだ〜、お前はだれだ〜」  「私はMarie Christine、母と同じ名前で・・・・」  「なぜ、ここにいる〜」 「それは・・・・・」  てな感じで物語が始まる。刑務所から始まるといえば「ラ・マンチャの男」  を思い出すが、現在から過去を語るスタイルは「アスペクツオブラブ」や  「オペラ座の怪人」「エビータ」など使い古されたありがちなパターンである。  話はMarie Christineが犯した罪について淡々と語られていくが、完全に過去に  トリップしてしまうわけでもなく、女囚役の3人がまるでJCSのソウルガール  のように時々舞台上に現れては、Marie Christineをはじめ中心人物の心を表す  ようにコーラスに加わる。しかもこの女囚3人組は出番がない時は客席の最前列  下手に座って待機している。他のほとんどの出演者も舞台上手脇に競技場のスタンド  席のような待機場所があり、出番のないときは観客と同じように舞台を観ている。  セットも照明も衣装もシンプルそのもので暗く、これらは冒頭の刑務所の雰囲気を  最後まで維持しようという演出か?  音楽も派手さはなく地味で、残念ながら印象的なナンバーもなく、歌唱力が  評判のAUDRA McDONALDの威力発揮という場面がなくて残念である。ただし、演奏  では下手のボックス席にいるドラムの黒人が張り切って太鼓をたたいているのが  特徴でこの人はなぜかキャスト表にも名前が入っている。  登場人物の心情を表すのに先程のソウルガールのコーラスの他、いきなり、  バレリーナが現れて現代舞踊のようなソロダンスを後ろで踊ったりする。ここら  へんは振付も担当している演出家の得意そうなところ。また、凝ったところでは、  召使いを殺すシーンで、1メートルくらいの赤いリボンを取り出し、ハサミを  入れるたび召使いが体を押さえて苦しむマイムを踊り、最後にチョキンとリボン  を切ると絶命するといった現代舞踊的演出が印象的だった。  人の半生を描くためか年代がワープするので登場人物が多くて理解するのは結構  大変なストーリー。途中で死ぬ人も沢山。2幕では1幕で死んだ人が出てきて  Marie Christineを囲むという、出てくるくる意味は違うがレ・ミゼラブルの  最後のシーンと似たようなシーンあり、ラスト、Marie Christineが舞台奥の  傾斜を観客に背を向けて歩いていくところなどは死刑台へ向かうことを示唆して  いると思えるがありがちなシーンで斬新さは感じられなかった。  他のミュージカルのようなダンスシーンはなく、音楽、セット、衣装、物語  すべて暗いので通常の非劇ドラマとしての方が良く、ミュージカルとしては、  満足のいくものではありません。AUDRA McDONALDやANTHONY CRIVELLOなどの  ミュージカルスターが活きていないのもその一つ。一カ月もプレビューやって  オープン時にはミュージカルらしく生まれ変わっていればベストだと思います。 余談  1年前の「1776」の主役 MICHAEL McCORMICK がチョイ役ででていた。  その時は「Philadelphia〜、Philadelphia〜」と歌っていたのに今回は、  「Chicago〜、Chicago〜」と歌っているもんだからそれが可笑しかった。
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