RADIO CITY CHRISTMAS SPECTACULAR 1999
RADIO CITY MUSIC HALL (NEWYORK)
  7.NOV.1999 18:00〜 MM514 ORCH $67.00    Santa Claus CHARLES EDWARD HALL Mrs. Claus MARY STOUT  キャストが歌うし踊るしこれもミュージカルなんだろう。11月初旬でクリスマス  とはかなり気分が早いがせっかくの機会なので観てみることにした。  ホールが超大きいのに入口がブロードウェイから近いチケットブースのある入口  からではなく通りを曲がった別の入口からに限定されていたため迂回者の列で大  混雑。そのため開演後も入場者が続出するという劇場もスペクタクルである。  舞台両脇のパイプオルガンの演奏が終わるとピットがせり上がりフルオーケストラ  が出現。クラシックコンサートでも始まるような規模のオーケストラである。  あとは各シーンにあわせて玉手箱のようなさまざまな寸劇(?)が展開していく。  メインキャラクターはもちろんSanta Clausだが、有名なRADIO CITY ROCKETSを  忘れてはならない。総勢36人だったが最初出て来て並んだらやはりそのピタリと  そろった身長に驚いた。幕間にパンフ(PLAYBILLのRADIOCITY版みたいなもの)を  見たら応募条件等が乗っていて身長制限がフィートインチ単位で載っていたので  思わずその場でセンチに換算計算してしまったほど。結果は166.5から178.4の間と  なったがそれでも10センチも差があるようにはとても見えない。第3シーンには  おもちゃの兵隊でラインをくずさずいろいろな動きをするがさすがに一糸みだれぬ  動きである。このシーンもそうであるが是非上(2階)から観たいと思うシーンが  いくつかあった。といってもこのホール、1階がアリーナのように広く、2階席は  壁際にスタンドのように付いており、ステージから遠くなるのが難だと思うが。  第4シーンはサンタが次々とこれでもかというほど出て来て圧巻である。100人  くらいはいただろうか。途中でさらに鏡が出て来てさらに倍というサンタだらけ  である。  演出・振付をしたのは、何とThe Scarlet Pimpernelのニューバージョンを演出・  振付している ROBERT LONGBOTTOM である。今回1999年ということもあってか  新しいシーンを加えたとパンフに書いてあった。第5シーンがその一つだそうで、  題名は WHITE CHRISTMAS IN NEWYORK で、スクリーンにTV映像がいくつも投影  され、天気キャスターが今年のクリスマスは雪が降らないと各々言っているところ  から始まる。このお天気キャスター達は各放送局の実在のキャスターだそうである。  それから五番街の買い物で賑わう街が現れ、アンサンブルがカップルあるいは一人  でクリスマスのショッピングを楽しむニューヨークのクリスマスシーンが展開され  て、その中にSantaもお忍びで後のシーンで出てくるMrs.Santa用にプレゼントを  買っている姿があったりして微笑ましい。途中ニューヨークのスケートリンクを  イメージした本物のスケートリンクがピットからせり上がりスケーターのカップル  がダンスを踊るなどの見せ場もあり、かなりニューヨークを意識した感じである。  通りのショーウインドウにはマネキンが置いてありそれはROCKETSの変装した姿で、  出て来て踊り出すと衣裳が雪をイメージしていてまるでアメリカ版雪ん子のようで  ある。ここまで書けば冒頭の雪が降らないという事件がどうなったか想像できて  しまいますね。  このあと幕間を挟んで第9シーンまで続くが2幕途中からそれは起こってしまった。  観客の1人がフラッシュをたいて写真を撮ったのである。それからもうフラッシュ  の嵐。舞台効果も何も台無しで最後まであちこちでピカピカ光っていた。  最後の第9シーン The Living Nativity はそれまでと違って荘厳な雰囲気で  行われるキリストの生誕劇であるがそれでもおかまいなし。このシーンでは羊や  ラクダなど本物の動物が出てくる。もちろん人がひいて連れているのであるが、  キリストに向かってやってくる姿は LION KING の冒頭のまさにホンモノ版である。  フラッシュは気になるが荘厳でおごそかに終わった後、カーテンコールが当然ある  だろうと思いきや、観客の大部分が帰り始めたのでどうもこのキリスト劇で終わり  のようである。最後にSantaやその他出演者、もちろんROCKETSも含めて拍手して  大盛り上がりで劇場を出るのだろうと思っていたのが実にあっけなく拍子抜けで  ある。  全体的に内容は歌ありダンスありの他にアイススケート、ぬいぐるみショー、  バレエ、映像、オーケストラ演奏、本物の動物とかなりバラエティに飛んでいて  まさにスペクタクルにふさわしい。劇中においては、Santaもインターネットや携帯  電話を使うなど、妙に時代にマッチしている点もおもしろい。  そして、なんといってもROCKETSである。ただラインダンスをするというわけでは  なくある時は雪をあるときはトナカイとしっかりと物語にフューチャーされている  のが浮かず沈まずでこの作品になくてはならない存在となっている。
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