SATURDAY NIGHT FEVER
MINSKOFF THEATRE (NEWYORK)
  7.NOV.1999 20:00〜   MEZZ C116 $80.00 Tony Manero JAMES CARPINELLO Stephanie Mangano PAIGE PRICE Annette ORFEH Bobby C PAUL CASTREE Joey SEAN PALMER Double J ANDY BLANKENBUEHLER Gus RICHARD H.BLAKE Monty BRYAN BATT Frank Manero CASEY NICHOLAW Flo Manero SUZANNE COSTALLOS Frank junior JERRY TELLIER Linda manero ALIANE BAQUEROT Fusco FRANK MASTRONE Jay Langhart DAVID COBURN  日曜日の夜は SATURDAY NIGHT FEVER ー?  当然、この演目は土曜の夜に観ようと計画していたが劇場窓口に行くと、考える  ことは皆同じなようで、なんと土曜の夜公演だけは12月末まで売り切れている  とのことである。というわけで日曜の夜公演分を買った次第である。  オーバチュア(といっても映画の曲のメドレー)が始まると観客がもうノリノリ。  舞台中央に主役のTonyが例の有名なキメポーズで現れるともう絶叫。それから  他のキャストが登場して、踊るなどして最後にまた全員でキメポーズ。この冒頭  はカーテンコールの先取りというか、物語とは関係ないいわゆる”つかみ”と  いうやつだろうか。観客のテンションを高めるいい構成方法である。  で続いてあらわれるのが映画の冒頭にあったマンハッタンの遠景とそこにかかる  ハイウェイブリッジ。これが凝っていてちゃんと橋には車のミニチュアが点灯  して走っているではないか。4カ月ほど前にたまたま映画を観ていたのでこの  映画とそっくりなシーンの再現は感銘を受けた。そしてさらに映画冒頭のTonyの  ペンキ缶お使いで街をねり歩くシーンへと続く。と、この調子ではっきり言って  映画そのままである。違いは、やはり映画ではBGMだったのに出演者が歌って  しまうということが大きな違いといえば違いである。細かく言いうと若干省略  されたシーンや場所を代替されたシーンもあるが気にはならない。映画では結構  重要な要素だった車が出て来ないのも変化といえば変化であるが、まさか  FootLooseのバイクのように前半分の手押し車だったら嫌だし、シーンが変われば  移動したことになるのが舞台というものなので重要な会話は前後のシーンに振り  分けることで思い切ってカットしてかえってスッキリした感じである。  冒頭のハイウェイブリッジもそうであるが、装置がなかなか凝っていて良い。  ディスコのシーンやダンススタジオでは鏡を効果的に使い、特にディスコでは  上から吊って斜めにした鏡で、観客は舞台真上からの視点でダンスの動きを観る  ことができるのが効果的。また、床下のライティングや上からUFOのような  照明機材(?)まで出て来て豪華と言えば豪華である。  仲間と危険な遊びをする高架橋のシーンも電車や車の絵をスライド式に走ら  せたり、吊りワイヤーを使用したりしてスリリングである。FootLooseにも同じ  高架橋のシーンがあるがセットとしてはこちらの方がずいぶんといい感じで  ある。それにしてもアメリカの若者は高架橋を溜まり場にすることが多いの  だろうか。  ちょっと気づいたところ、ディスコシーン等の客の衣裳がなんか古いのか  新しいのかわからない感じでちぐはぐだなーと思い、一体年代設定はいつ  なんだとPLAYBILLを見ると、「時は1976年、又はあなたが19才のころ」  (The Time is 1976 .....or Whenever You ware 19.)などと書いてあった。  やられた。うーん、いいなー、このノリ。  キャストは主役TonyにこれがブロードウェイデビューのJAMES CARPINELLO。  この中ではトラボルタ似といえばそうだが、似てないにしてもちょっと特徴の  ある顔である。特徴がある観点でいえば、Tonyの遊び仲間でBobby以外の3人  も似たようなもので、身長も同じようなものだからグループ行動では判別でき  ないことがままある。と思ったらこのうち2人はTonyのアンダースタディ。  しかも、トップのアンダースタディ(という言い方はあるのか?)はBWの  RENTでRodgerで観てことのあるRICHARD H.BLAKEだった。どうせならこちらの  Tonyも観てみたかった。別にJAMES CARPINELLOが悪いというわけではなく、  もう少しアクというかこの人らしい濃さが欲しいと思ったのが正直なところ。  Bobbyはちょっと違ったキャラクターで途中で死んでしまうし、ソロ曲もある  のでこの一党の中では判別しやすい。  Monty役はコメディっぽいこともありもうけ役。演じるBRYAN BATTはMINSKOFF  THEATREでは常連だそうでThe Scaret PimpernelのPercyやSunset boulevard のJoe(多分STANDBYかUNDERSTUDYで演じた?)などをやっていたそうである。  この他アンサンブルキャストも含めたほとんどのキャストは、「Fosse」、  「FootLoose」、「Smoky Joe's Cafe」などから踊れるキャストを引っ張って  きたようでブロードウェイデビューの主役をガッチリサポートしているよう  である。またキャストがかなり多く、ディスコシーンや他のシーンでは数で  圧倒。ディスコにおいては踊っている人の他に脇で雑談してたりナンパして  いる客まで用意できている。  ラストもカーテンコール後、3曲ほど踊りまくり、客席で踊る観客まで出る  ほどの完全フィーバー状態。数の多いダンスキャストに加えさらに父母役等の  年配キャストも入れて全員で同じ振りを踊るものだからどうしてもそちらの  方に目が行ってしまい、時代の落差のないことを感じさせた。
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