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               VIVIAN BEAUMONT THEATER AT LINCOLN CENTER (NEWYORK)

                26.FEB.2002  20:00〜   P407  ORCHC   $48.00(50%+$3)

  Frenchmen  ROBERT WERSINGER,SCOTT TAYLOR    Girl on a Swing  JOANNE MANNING 
  
  Husband     DANNY MASTRO-GIORGIO                Wife    CHARLOTTE d'AMBOISE
  Headwaiter  DAVID MacGILLIVRAY

  Michael Wiley   D.W.MOFFETT         Girl in the Yellow Dress   COLLEEN DUNN
  Bartender   DANNY MASTRO-GIORGIO

 日本では劇団四季の公演に向けて盛り上がっている作品であるが、ブロードウェイ
 では毎日のようにTKTSに出ているし、当日以外のチケットも割引クーポンが
 出回っているのでそろそろ・・・といった感じかも。実際劇場に行っても四季効果
 なのか観客の日本人率が多いです。

 この劇場は「MARIE CHRISTINE」を3年前に観た時に来ていたが、小じんまりとした
 半円形劇場である。だから1Fの最後列でもオペラグラス無しによく見え、かなり
 臨場感がある。舞台が半円形に張り出しているので、幕で全体が隠せず、入場した
 時にすでに舞台上には例のFragonard(フラゴナール)の貴婦人がブランコに乗った
 SWINGの絵が飾られていて、中世フランスを思わせるクラシックBGMも流れていて
 始まる前からいい雰囲気である。

 最初は「Swinging」。二人のFrenchmen(貴族と召使)と Girl on a Swing(貴婦人)
 がブランコで遊ぶのだがアクロバティックであるものの、セリフなし、歌なしな
 のではっきりいって観ただけではよくわかりません。解説等を読んでようやく
 わかる程度、しかも1幕はすごく短い。出演者も3人だけなので前座として観た方
 が良いのかも。
 次が「Did You Move?」。これはセリフのやりとりがあるし、似たようなことを
 繰り返しやるのでストーリー的には一番おもしろい。ダンスはバレエがほとんど
 でもっとバリエーションが欲しいと思うけど、アンサンブル(店の客)も含めた動き
 の構成の妙にかなり工夫が見られた。

 ここで休憩なので次が2幕と呼ぶのか3幕と呼ぶのか「Contact」。リンディホップ
 によるダンスが展開する。ペアダンスなので社交ダンスやサルサっぽい技もも少し。
 ここは場が主役Michael Wileyの部屋やスィングバー、そこへ行く道路など変わる
 ので1つのドラマとして理解できる。どちらかというと部屋のシーンでのWileyの
 演技もダンスより重要な見せ所ではないだろうか。セットもMichael Wileyの部屋の
 机が180度回転するとバーのカウンターになるなど場面転換にも工夫が見られる。
 でもストーリーがありがち。というか日本のヒット映画「Shall We Dance?」その
 ままで前半は進行がもどかしい。ラストでオチがニ転三転しているが、私的には
 現実の黄ドレス女(黄ガウン女)は登場させずにWileyが首を吊ったところで悲劇的
 に終わって欲しかった。二部の「Did You Move?」もちょっと悲哀な感じで終わる
 のでちょうどいいかと・・・・。  ダンスの曲でスウィング曲といえばまたか、
 という感じのSingSingSingが使われるがこれはこの狭い舞台では効果が全くない。
 FosseやSwing!でも使われていたが、私的にはSwing!のSingSingSingが一番良かった
 と思う。
 カーテンコール。一部から三部の出演者が全員出てくるが、ブランコもバレエもなし
 で三部のペアダンスが基本でまた踊る。でもペアがちょっと変。黄ドレス女はは何で
 Bartenderと踊るのか? Wileyは別の幕の女と踊る。Bartender役は二部のHusbandと
 同じ人が演じてるのでWifeと踊ればと思うのであるが・・・。最後の最後でWileyと
  黄ドレス女が2人きりになるのでそれのフリなのだろうか?

 総合的にはセリフも少ないし、歌もないのでストーリー的にかなり観客に考えさせる
 内容。直接的にダンスを見せて間接的にストーリーを考えさせる手法で作品に厚みを
 出していると思えそれがおもしろいのかもしれない。私的にはやはり、歌なしでは
 寂しい。昔の曲の音源なのか音質が悪いのもあってか曲自体があまり丁重に扱われて
 いないのがどうも気に入らない点である。今更ながらトニー賞のベストミュージカル
 賞というのは疑問。ミュージカル部門でなくてダンス部門があればいいんだけど。

 キャストは三部の黄ドレス女が超貫祿あり。立ち方、歩き方、背中の筋肉を見ても
 相当ダンサーとして鍛えている人である。四季でこの貫祿が出せるか疑問なところ。
 また、三部のアンサンブルでWileyのライバルとなるダンスのうまい客がリチャード
 ギア似の俳優(JACK HAYES)がかなり目を引く。PLAYBILLによると役名もJACKという
 らしいのでこの人のための役なのか? 二部でやたら怒りまくっていたHusbandが
 三部ではBartenderとして出てきて踊れないWileyにいろいろ世話を焼くが二部の
 紳士姿とはうって変わって三部では髪の毛も逆立てたハジけた兄ちゃんになっている
 のが落差があっておもしろい。
 また、アンサンブルは出てくる二部、三部の設定がオシャレな店の客達ということも
 あって年長多い。オジさん、オバさんがちゃんと踊れる姿を見ると、これがアメリカ
 だなー、とつい感じてしまう。日本人の偏見かも。

 ツアー版はどうなってるか知らないが、舞台が小さい劇場でまとまっている作品
 なので、四季劇場(秋)の広さでもかなり心配である。
 半円形のコンパクトな舞台に作り変えてくれるといいけど。
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