Sweet Smell of Success

            MARTIN BECK THEATRE (NEWYORK)

            (Preview , Opening 14.MAR)


          27.FEB.2002  20:00〜   S14  MEZZ   $26.00

  J.J.Hunsecker     JOHN LITHGOW     Sidney Falco     BRIAN d'ARCY JAMES
  Susan Hunsecker   KELLI O'HARA     Dallas Cochran   JACK NOSEWORTHY
  Rita O'Rourke     STACEY LOGAN     Club Zanzibar Singer  BERNARD DOTSON  

 1957年の同名映画(邦題は「成功の甘き香り」)をNICHOLAS HYTNERの演出
 でミュージカル化したそうだ。
 舞台設定が1952年のNYなので、この前に見たcontactやTHE PRODUCERSと
 同じく曲がほとんど古きアメリカのナイトクラブのSwing Jazz調である。
 社交場であるBarで踊るシーンもふんだんにある。しかし、ラテン調のアップ
 テンポのJazzなどが散りばめられていて、メロディは心に残る。しかも物語に
 マッチしていてスリリング、サスペンスチックなのが良い。作曲したのは
 A Chorus LineのMARVIN HAMLISCHだが、二幕にカンパニーが踊る曲に「One」の
 冒頭「♪one,」の部分と似た曲調のところがあり、観客から笑いが漏れていた。
 歌詞がおもしろくて笑ったのかは定かではないが、私は「おいおい・・・」と
 思ってしまった。  

 ストーリーは裏でいろいろ暗躍するサスペンスチックなものなのでコメディ
 ではないものの、歳の若干離れた二人の男が主役でスーツ姿で立ち振る舞う
 様は、THE PRODUCERSの二番煎じを狙っているのかと思わざるを得ない。
 音楽もジャンル的に似ているし、舞台もニューヨーク、しかも、一方は舞台を
 作る側のプロデューサー、こちらは舞台を評価するコラムニストが主人公で
 ある。
  
  大物コラムニストを演じるJOHN LITHGOWはさすがに貫祿があって、表だった
 活躍はしないが要所要所で引き締めている。その相手役であるBRIAN d'ARCY 
 JAMESは歌えるものの、実際は野心満々の小悪党のはずなのにちょっとたより
 なさすぎな感じがした。
 若いカップルのKELLI O'HARAとJACK NOSEWORTHYは、PRODUSERSにはない恋の
 部分を担当していると思われるが、これがしっかり歌えているので二人の
 デュエット曲などはMiss SaigonのChris&Kimを彷彿させる熱唱で、久しぶり
 にこの手のミュージカルを見たという気になり得した気分。このあたりは
 演出家の得意とする所か。これにSidneyの彼女であるRitaを入れた5人が
 中心人物であり、あとは完全な端役(アンサンブル)。歌も5人が歌って
 アンサンブルがコーラスするというのが多くてシンプルなものの味気がなく、
 一人くらい濃いキャラクターのわき役が欲しいところ。
 
 セット(AIDAのBob Crowley)は一連のニューヨークものの中では一番いい。
 背景のビル群ももさることながら、床にもニューヨークの道路のように
 碁盤のようなラインとBWを思わせる斜めラインが入っている。その後ろに
 セントラルパークを思わせる暗闇、その上にビル群のリアルなセットという
 構成である。

 さて、私もTHE PRODUCERSを観ていなかったら結構気に入ったと思うが、
 終演後もスタンディングはほとんどなかったし、あまり観客ウケは良くない
 みたいである。やはり二番煎じ的な感が強いからかもしれない。
 作品的には映画版のリメイク映画製作の企画も進んでるらしい。ジョン・
 キューザックがFalco役で主演だとか。新作映画が公開されれば相乗効果と
 いうこともあるが、それまでもつかは疑問である。
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