Gypsy
 
              SAM S. SHUBERT THEATRE (NEWYORK)
  


          20.MAY.2003  20:00〜   D14  BALC40   $41.75(50%+$3)

 Rose         BERNADETTE PETERS           Louise          TAMMY BLANCHARD
 Herbie       JOHN DOSSETT                Mr. Goldstone   BROOKS ASHMANKAS
 June         KATE REINDERS               Tulsa           DAVID BURTKA
 Baby June    HEATHER TEPE                Baby Louise     ADDISON TIMLIN
 Mazeppa      KATE BUDDEKE                Tessie Tura     HEATHER LEE
 Miss Cratchitt,Electra  JULIE HALSTON    Uncle Jocko     MICHAEL McCORMICK

 観劇した次の日の朝のテレビ番組で「ニューヨーク、今日はなんの日?」みたいな
 コーナーをやっていて(多分、ニューヨーカーは毎日お出掛け前にこういうの見て
 出かけるんだろうなー。日本のテレビの占いコーナーより役立つのではないか。)
 「1959年Gypsy初演がオープン」とか言っていた。そう、つまり、観劇が
 一日遅ければちょっとした「記念日」に観れたのにー、と、後のまつり。 
 1959年5月21日にETHEL MERMAN主演でオープンした、Gypsy。その後、
 1974年にANGELA LANSBURY主演、1989年にTYNE DALY主演でリバイバルし、
 今回が3度目のリバイバル。上記3人ともトニー賞最優秀主演女優賞を取っている
 そうだから、今回の主演女優BERNADETTE PETERSはプレッシャーあるだろうなー。

 はじまりのオーケストラのオーバーチュアが結構長い。さすがに古き良きBW
 ミュージカル調。中でもトランペットの高音が結構目立って鳴り響き、オーバー
 チュアが終わっただけで客席は拍手喝采。
 BERNADETTE PETERS登場でまた拍手喝采。さすがに母親役なので、ANNIE GET YOUR
  GUNで見た時よりはかなり落ち着いた雰囲気で、年齢的にはこちらの方が合って
 いるのかも知れないが、おとなしすぎてちょっと物足りないかな。それよりも1幕
 前半は子役のHEATHER TEPEが良い感じ。母親が主役に据えている妹の方であるが、
 バックを従えBWの舞台で堂々と大声で歌って踊る姿は子供ゆえに恐いものがある。
 姉の子役の方は劇中劇でもわき役のせいか、声も小さく目立たない。Annie役を
 やっていたくらいなのだから多分、そういう演技なんだろう。この劇中劇もなか
 なか小ネタ満載で面白い。ナワトビとか星条旗とかお決まりがあるみたいで大人に
 なってからの別の劇中劇にもつながっていてよくできたシーンである。
 ショービジネスに生きる親子ということで、BERNADETTE PETERSが母親役をやって
 いると「ANNIE GET YOUR GUN その後」のような気がしないでもない。アメリカ中を
 子供連れで興業して回るという設定で、舞台脇に公演(?)タイトルとか都市とか
 がその場ごとに表示されていて、1幕は都市が頻繁に変わるので飽きない内容で
 ある。2幕前半はちょっと長く滞在する所があって中だるみするが、その後の
 Gypsy Rose Lee誕生からは、また楽しめるショー体系になっている。特にGypsy 
 Rose Leeを演じるTAMMY BLANCHARDの変わりようがすごい。2、3曲(都市)公演
 していくあいだにみるみるうちにおとなしく目立たない娘から貫祿のある女に変身
 していくシーンが名演ものである。この時の衣装の早着替えもすごい。だんだん
 と派手でキラキラしたスターになっていく。
 演出では、子役たちが劇中劇で「星条旗よ永遠なれ」で踊っている最中に、
 フラッシュライトがたかれ、数秒のうちに大人(の俳優)に成長(チェンジ)
 しているというシーンがおもしろく、客席からも拍手が湧いていていた。
 ずっと同じこと(公演)をつづけているうちに子供も大人になったという感じ
 を匂わせる名演出である。
 俳優では1幕で出てくるMiss Cratchitt、2幕で出てくるElectra役の2役を
 やっているJULIE HALSTONが出るたびに何故か観客の笑いをさらっていた。結構
 コミカルな顔だちの女優さんであるが、地元民にはウけるようなところで活躍して
 いるのだろうか?

 今回はブロードウェイでは初の3階席(バルコニー)での観劇だったが、そう
 いえば、BWでは3階席まである劇場も限られてるのかな。アカデミー賞効果で
 観客が増えそうであろうCHICAGOを別の劇場に移動してまでSHUBERT THEATREで
 この作品をやる意味はそこにあるのだろうか。
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