FIDDLER ON THE ROOF

                           MINSKOFF THEATRE (NEWYORK)


             14.MAY.2004  20:00〜  S8  ORCH   $53(50%+$3.00)

Tevye's Familiy:
   Tevye   ALFRED MOLINA  Golde   RANDY GRAFF
   Tzeitel SALLY MURPHY   Hodel LAURA MICHELLE KELLY   Chava TRICIA PAOLUCCIO
   Shprintze LEA MICHELE  Bielke MOLLY EPHRAIM
Papas: 
   Lazar Wolf  DAVID WOHL     Rabbi   YUSEF BULOS     Mordcha PHILIP HOFFMAN
   Avram MARK LOTITO          Jakov DAVID ROSSMER     Chaim BRUCE WINANT
Mamas:
   Shandel BARBARA TIRRELL    Mirala MARSHA WATERBURY
   Fredel RITA HARVEY         Rivka  JOY HERMALYN
Sons:
   Motel JOHN CARIANI         Perchik ROBERT PETKOFF
   Mendel CHRIS GHELFI        Yussel ENRIQUE BROWN
   Yitzuk  RANDY BOBISH       Label JEFF LEWIS      Shloime FRANCIS TOUMBAKARIS
Russians:
   Fyedka  DAVID AYERS     Sasha JONATHAN SHARP
   Vladek STEPHEN WARD BILLEISEN   Vladimir  KEITH KUHL   Borris  ADAM ZOTOVICH
Daughters:
   Anya  MELISSA BOHON     Surcha  HAVILAND STILLWELL

Yente  NANCY OPEL          Nachum    TOM TITONE
Fiddler NICK DANIELSON     Boy MICHAEL TOMMER   Constable  STEPHEN LEE ANDERSON
Grandma Tzeitel  HAVILAND STILLWELL             Fruma Sarah JOY HERMALYN


 西田敏行版は観たことある。今は市村正親版が上演されており、日本ではお馴染みなこの
 作品。ブロードウェイでもお馴染みらしく1964年の初演以来ほぼ10年に一度のペース
 でリバイバルされておりこれが五演目だそうだ。
 演出が昨年のNINEで私も仰天したDAVID LEVEAUXであるが、今回はお馴染みの作品を冒険する
 わけでもないようでそれほど仰天はしなかった。現在、BROOKS ATKINSON THEATREで上演中
 のJUMPERSという作品(not MUSICAL)も手掛けており、結構、売れっ子なんだろうか。

 日本版の浅い記憶(イメージ)から比較するに、このブロードウェイ版はNINE的なイメージも
 手伝ってやはりDAVID LEVEAUXなのは、舞台が暗い、というか黒のイメージが強いということ
 が感じられる。つまりセット(背景、照明)が夜ばかりということである。
 冒頭の「しきたりー」も夜。時々夕日があって夕方っぽくなるシーンがあるが、それ以外は
 見る限りストーリーの進行はいつも「夜」なのである。最初は違和感あったが、なんか話が
 進むにつれ、ロマンチックな気分にもなってきて、結構、美的な感じがしてきたから不思議。
 他にセットはフライングや床が急傾斜(45°くらいはある)したりして、終わってみて
 考えれば結構奇抜だったかもしれない。
 振付は出演者(アンサンブル)が多いが、細かく、ロシア調の早い曲もうまく振り付けられて
 いて見応えがあった。オーケストラが舞台右奥に陣取っているために舞台(踊る場所)が
 狭く感じるわけであるが、そこに群舞と見事なシーケンスで見せてくれる。ゆるやかな曲も
 アクセントを動と静で強調するなどしてメリハリがあっておもしろい。なによりも役者達の
 手の動きもこれまた良く揃っていて、ブロードウェイの底力を感じさせた。
 ちなみに振付(Choreography)はオリジナルのJEROME ROBBINSがそのままクレジットされて
 いる。Musical Stagingとして、NINEの振付家JONATHAN BUTTERELLがクレジットされている。

 キャストは長女Tzeitel役が3人の年頃娘の中で一番背が小さく、最初3女Chavaかと思った
 が良く見ると年齢具合がやはり長女で納得。その長女の恋人Motelは、歌はいまひとつだが
 キャラクター的に観客にウケていた。気弱な青年っぽさを表現するためか、Tzeitelと話を
 する時の緊張具合の動きなどの盛り込み方がうまい。Grandma Tzeitelは日本の時と同じく
 「ばぁさんなんだけど若い人が演じる高い声」がよく出ていていい感じだった。
 主役TevyeのALFRED MOLINAはどうだろうか。体格的にも年齢的にもちょうどTevyeに合った
 ような普通のおじさんで、印象薄。MAN OF LA MANCHAのBRIAN STOKES MITCHELLぐらい
 少しだけ奇抜なキャスティングでもいいかも。    

 曲的には、やはりSUNRISE SUNSETが一番しっとりと聞け、やはり名曲感が強い。結婚式の
 シーンでもあるので、この夜景セットも手伝って相当な厳かなシーンとなっている。
 このような名曲がある作品だと、聞く度に原点に帰ったような気がして、何回もリバイバル
 する価値があるんだろうなー。
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