BOMBAY DREAMS

                           THE BROADWAY THEATRE (NEWYORK)


                 15.MAY.2004  14:00〜  N111  RMEZ32   $46.25
  
      Akaash       MANU NARAYAN            Priya        ANISHA NAGARAJAN
      Shanti       MADHUR JEFFREY          Rani         AYESHA DHARKER
      Sweetie      SRIRAM GANESAN          Vikram       DEEP KATDARE
      Munna        NEIL JAY SHASTRI        Madan        MARVIN L.ISHMAEL
 
 冒頭から荘厳なインド風オバーチュア。背景に段々と浮かび上がってくる(セリ上がって
 くる)Bombayの街並(影絵)。船でBombayで到着した感があり、NYの街にいた感覚が
 一転してBombayに溶け込み、最初から心憎い演出である。
 でいきなり、「Salaa'm Bombay」という曲に入るがこの曲が大盛りあがり。激しいインド
 風の振りと覚え易いメロディ、サビの「Salaa'm Bombay!」のシャウト系の繰り返しで
 カンペキにノックアウトである。
 そのあと、主人公が住むというインドのスラム街。この雰囲気も充分にスラムな感じが
 伝わってくる。今年初め、このまさにインドのBombay(現在の都市名はMumbai)に行った
 ばかりで実際のスラムっぽい街並みも観ただけに、よくぞ舞台上で再現していると感心した。
 で、そこから展開していくストーリーは貧しい人がスターを夢見てインド映画界で成功
 していくが・・・。という良くあるパターン。やはり貧しいといってもハンパじゃない
 インドのスラムとか音楽につけダンスにつけ異文化のインドが舞台というのがオーソドックス
 なストーリーに少しスパイスを効かせている。
 振りはどの曲を取ってもさすがにインド風で格好いい。激しいわりに揃っている。力強い。
 最近のBWにない感じで新鮮。ランニングシャツ1枚でも豪華なセレブ衣装でもいつでも
 群舞できてしまうのが強みか。
 水が拭き上がるシーンの中でのダンスも良い。もちろん、出演者はズブ濡れ。すごい演出。
 水浸しになった床をどうするかと心配だったが、映画撮影中の1シーンのため、カットの
 声とともに映画スタッフに扮したアンサンブル(8人も)が一斉に出て来て掃除を始める
 うまい演出。主人公Akaashはそのまま舞台上にとどまりしばらく演技を続けるから冬は
 とても寒そうではあるが。
 音楽はラップのシーンもあって他にもポップス調、ラテンバラード調などジャンル的には
 かなり広範囲をカヴァーしている。でもやはりインド的ペーストは忘れていない。総じて
 どれも覚え易いメロディ。ロンドンキャスト版CDが発売されているが、そのCD曲と
 PLAYBILLの曲目表とは4割方違う。共通する曲も順番が違うようなのでかなりロンドン版
 から変更があったのか。BW版キャストCDはまだなようなので早く出して欲しいと思う。
 オケはピット以外に打楽器を両脇2階ボックス席に1人ずつセット。現地の民族リズムを
 刻む。THE LION KINGと同様。タンバリンの大きいのを打つ時とかは楽器が大きいので
 かなりのパフォーマンス効果大。時々踊ったりしていて舞台以外にこちらを見てるのも良い。

 音楽、振り、装置全て良し。まさに映画「踊るマハラジャ」とかのインド映画が実写で
 飛び出て来たようである。難を言えば、その分、出演者個人の技量とかはあまり目立たない。
 一人、女装している男Sweetieは歌う声も裏声(とは思えないようなうまさ)で高く目立つ
 存在。
 あとひとつ気になったのは、ヒロインPriyaの婚約者Vikram(弁護士)が前半おもむろに
 ピストルを出して見せた段階で、なんか「誰かが死ぬかも〜」とストーリーが大体予測
 できてしまうのがちょっとマイナスかなー。

 客はやはりインド系の人が多し。NYにはインド系移民が今、大変多いそうである。ほんと
 に客席からしてNYにいるとは思えないちょっとしたインド旅行である。
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