THE BEAUTIFUL GAME
CAMBRIDGE THEATRE (LONDON)
  11.APL.2001 15:00〜   STALLS E18 £37.50 John DAVID SHANNON Mary JOSIE WALKER Del BEN GODDARD Christine HANNAH WADDINGHAM Ginger DALE MEEKS Barnadette ALEX SHARPE Daniel JAMIE GOLDING Protestant Girl DIANNE PILKINGTON Thomas MICHAEL SHAEFFER Father O'Donnell KEITH BOOKMAN  当日でも良い席が買え、しかも毎日ハーフプライスに登場しているためそろそろ  危ないかもしれません。1F後方には空席も目立ちます。  オープニングはメロディといい、ダンスといいとてもスピーディな進行と迫力で  魅了されさすが、その後はどうもスローな男女デュエット曲が多く、All I Ask of Youのオン・パレード状態かなと思わせる曲構成になっています。メロディは  とてもよく、A.L.ウェーバーはさすがと唸らせる曲ばかりでシングル曲として  聞くには良いのですがストーリーが交錯していくミュージカルの中でのつながり  を考えるとちょっと飽きてくるかなぁ、というのが正直な感想。  冒頭からそう感じていましたが、男声コーラスが弱いなー、女声しか聞こえない  なー、と思っていたのは多分、男性キャストはダンス隊で女性キャストが歌担当  からなんでしょうか。時々あるカゲコーラスも女声だし、一連の曲もどちらかと  いうとMary、Christineなどはソロでバンバン聞かせるのに対し男性が聞かせる  ナンバーはほとんどありません。サッカーといえば男臭さムンムンという感じなの  で男声パワー炸裂というような曲がもっと欲しかったかな。  セットがシンプルなだけに場面をイメージするのは小道具をかなり多用している  が、それをキャスト(あるいはジーンズを履いたスタッフ?)が急いで持って  来たり片づけたりしているのがRENTに似て若者感が伝わって来て良い。  特に2幕でベッドを片づける時に次のシーンの悪者達ダンサー(テロリスト?)  が踊りながら枕、シーツ、マット、電話など少しずつ解体しながら持ち去ると  いうのは結構気に入った演出である。さらに最後に炎が立ち上がることで過激さ  が増している。他にも1幕のアイルランドののどかな風景のフィルム映像や、  2幕の金網フェンスなども豪華なセットではないものの効果的に使われていて  印象深い。プロセニアムアーチが爆破された瓦礫になっているのもいい感じ。  ラスト近くのMaryがサッカーチームの古い集合写真を見つめてメンバーのその後  を語るシーンでは舞台奥でキャスト達が実際にポーズを取ってくれますが、1枚  だけじゃなく何枚もあるのでそのたびに誰かが転んだり、肩車したり実際にやって  いて、単に写真を投影するなどという安易な発想を超えた演出に思わず吹き出して  しまいました。1幕ラストが葬式で2幕冒頭が結婚式というのもなんだか狙った  構成なのかもしれませんが、ゲームの勝利に歓喜するシーンあり、バイオレンス、  サスペンスありなど脚本としても冠婚葬祭てんこ盛りという感じの実によくできた  ミュージカルです。でも、なんか足りない。。。やはり題材でしょうか。  サッカーといえども実際はサッカーそのものがテーマのスポ根ミュージカルという  わけではないので日本人にも共感できる何かが欲しいところである。  今作は若者を意識したのか演奏がオーケストラ調の重厚さがなく電子っぽかった  ので、ピットを覗いてみると案の定、指揮者の上手側はシンセサイザーが3台  並んでるだけだった。下手側にいたバイオリン1台も電子バイオリン。オケの  人数も当然少ない。スピーカーが上部からなので結局、生音が下がら聞こえてくる  より演奏は上から聞こえてきたのが前の方の席では違和感が大きかったのが残念。
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