BLOOD BROTHERS
PHOENIX THEATRE (LONDON)
  12.APL.2001 15:00〜   STALLS B13 £20.00(50%+£2.50)   Mrs Johnstone   LYN PAUL     Narrator    KEITH BURNS   Mickey    STEPHEN PALFREMAN Eddie      MARK HUTCHINSON   Mrs Lyons   PAULA TAPPENDEN Linda      THERESA KARTELL   Sammy     DANIEL TAYLOR Mr Lyons   PHILIP STEWART  タイトル通り兄弟の話でストーリーはなんとなく聞いていたが、観るのは初めて。  なので冒頭から大人が半ズボンはいて少年の役をやっているのには超違和感を  感じたのであるが、見ていくうちにこれがこの作品の人気の秘訣ではないかと  思いはじめた。役者の少年へのなりきり方も迫真の演技ながら、見ている観客、  ことに普段そんな子供のオチャラケなどすることもなくなった英国紳士にとっては  ビジュアル的に大人のまま少年時代にトリップしやすく、そしてまだまだ自分も  大人として枯れていない、まだまだ若いぞと舞台を通してバーチャル体験している  に違いない。キャストが13人と少なく出費が少ないということを差し引いても  10年以上ロングランしているのには何かしらの作品の魅力があるはずである。  曲も印象に残る曲はなく、同じメロディの繰り返しも多い。目立ったダンスシーン  もなくセリフが多い舞台であるし、ミュージカル的魅力は少ないからである。  作りとしてはNarrator役がいてずっと舞台の上、脇など観客から見えるところで  兄弟の物語を見つめながら時には歌ったり、問いかけたり、小道具をセットしたり  しているわけであるが、このNarratorはそもそもどういう人なのだろうか。  私は説明系の役回りをする役があっても別に気にならないがただの説明役という  のはどうも存在感が薄く感じてしまい、あまりそういう役があるのは好きではない。  EVITAのCheとかELIZABETHのRucheniのように人名があり、それなりの登場人物に  バックグラウンド関係のある人物が進行役というのなら全然問題ないのであるが。  冒頭は兄弟の死体のシーン、つまりラストシーンから始まり回想として物語が  展開するというよくあるパターンだが兄弟の一生を振り返る物語としてはこういう  構成は的を得ていてピッタリだと思う。  キャストは両方とも大健闘でよく役に合っている。しかし、双子としてはやっぱ  似ていない。逆に弟のEddieはもらわれていった方の養父Mr Lyonsの役者によく  似ているものだから、一緒に暮らすと顔も似てくるもんなんだなー、という感じで  見た方が良いかも。ラストのピストルの場面はほんの一瞬で二人がアクションを  見せるので相当息が合っていないとできないだろうと思うくらいピッタリ。これも  芸術技の一つだと思う。
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