MAMMA MIA!
PRINCE EDWARD THEATRE (LONDON)
  13.APR.2001 17:00〜   STALLS G13 £37.50 Donna Sheridan LOLI HALEY FOX Sam Carmichael SIMON SLATER Sophie Sheridan AMANDA SALMON Sky RAZA JAFFREY Rosie LESLEY NICOL Tanya LOUISE GOLD Harry Bright PETER FORBES Bill Austin ROHAN TICKELL Lisa HAYLEY TAMADDON Ali AMANDA HARRISON  今、ロングラン系では一番ロンドンで人気が高い作品と言ってもいいでしょう。  作品としても上出来で、見ていて心地よいというかすがすがしいというか、  それでいてミュージカルの醍醐味も体感できる、そんな作品です。  ABBAの曲群を盛り込むのが大前提で作られたにしては、設定が母子家庭の結婚と  いうテーマのみに絞っているのが簡潔で大正解だし、その分物語の中身にひねりを  加えて飽きのない作りになっているのが多くの人が受け入れやすいと思う。  登場人物も結婚を控えた若いカップルを軸にして、その友人二人づつ、新婦の母と  その友人二人、新婦の父親容疑者3人と各世代各性別3人グループという構造に  徹底しているのがおもしろい。それらが、ABBAの名曲を歌っていくのであるが、  それぞれが味があり、ABBAという1つのグループの原曲を各世代各性別を越えて  複数のグループ層にふりまいているのは効果が高い。時々、イントロ部分で笑いが  起こる時があるが、それは多分、その曲が以外なところで使用されて以外な人が  歌っていることによるものだと思うが、曲が観客に既に知られきっているという  ある種特殊な作品なわけであるから、そのあたりも作り手の術中のうちである。  そういえばパンフに曲目表として曲の一覧はあるが、アルファベット順に表記  されているだけで決して演奏順に表記しているわけではないのがいよいよもって  確信犯的である。  ダンスシーンもロンドンミュージカルにしては多彩で豊富で、群舞系あり、ペア系  もあり、女性キャストのみ、男性キャストのみというのもあり、特に男性陣による  ウェットスーツにフィンをつけた格好で踊るナンバーは斬新。  衣裳も最初は「これがミュージカルの衣裳?」と思うほどみんな普段着で、特に  おやじ3人組はその辺の通行人と同じような格好をしてたので、いくら暑い国で  薄着でラフだとしてもそれはどうかなー、という感じだったが、パーティーの  シーンなどでは全キャスト豪華にキメてくれて、普段のダサさとその派手さの  ギャップが良かった。  セットも家の造りや、ラストの月の橋(?)など開放的な感じでギリシャの雰囲気  が出ている。   キャストはDonna役が代役だったがRosie、Tanyaとの3人組のコンビネーションは  抜群で雰囲気も地中海の陽気さも持ち合わせておりとてもグッド。他のキャストも  若者が多いのでいやでも活気のある舞台になっている。  カーテンコールにはMAMMA MIA、DANCING QUEENなどが再び歌われ大盛り上がりの  ショータイムとなるが、母、父のそれぞれ3人組のカーテンコール専用のド派手な  衣裳まで用意してあるのも驚き。  曲も当然どこかで聞いた曲ばかり。最近、日本のTBS系某ドラマでABBAの曲が  主題歌やBGMとして多用されていたこともあって、耳にする機会も増えたそんな  矢先なのでかなり楽しめたのも事実。  結婚式という誰でも興味を持つイベントが、これらの名曲に乗り、これからの人の  夢を描き、済んでしまった人の思い出をくすぐるわけであるが、やはり母子家庭  という設定があるからか女性向き(女性は必見でしょう)とは思うが、お話良し、  曲良し、ダンス良し、キャスト良し、セット衣裳良しで文句の付けようのない作品  です。  これに味をしめてか、巷では既にクイーンズとかペットショップボーイズとか  要するに「既存のアーチストの曲を使ったミュージカル」が準備されているそう  ですがこれはちょっとしたブームになりそう。日本でもサザンの曲とかユーミンの  曲とかを使ったオリジナルミュージカルなんて出来たら・・・・・どうでしょう?   ちなみにこの日は祝日だったからか、いつもそうなのか、劇場に入る際、厳しい  荷物チェックがあった。
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